500ページの夢の束

500ページの夢の束 “Please Stand By”

監督:ベン・リューイン

出演:ダコタ・ファニング、トニ・コレット、アリス・イヴ、
   リヴァー・アレクサンダー、マイケル・スタール=デヴィッド、
   ジェシカ・ロース、マーラ・ギブス、ジェイコブ・ワイソッキ、
   パットン・オズワルト、ロビン・ワイガート

評価:★★




 エンタープライズ号。カーク船長。スポック。…と書けば、ちょっとしたSF好きなら「スター・トレック」用語だとピンとくるけれど、全く「スター・トレック」の世界を知らない人にはどうだろう。トニ・コレットのようにちんぷんかんぷん。想像の余地はない。まあ、そんな複雑な仕掛けがあるわけではないものの、『500ページの夢の束』の理解は、せめて先に挙げたくらいは知っておかないと伝わらない。

 …と言うのも、主人公のウェンディは自閉症で、「スター・トレック」の大ファンという設定。あるときトレッキー向けの脚本コンテストが開催されることになり、自分の作品を届けるためにサンフランシスコからロサンゼルスへ向かうというストーリー。ウェンディが脚本に拘るのには理由があるのだけど、おそらく「スター・トレック」未経験者はクライマックスになるまで、その理由に気づかない。

 ウェンディの口からはたくさんの「スター・トレック」用語が飛び出すものの、中でもスポックという響きがたっぷり聞こえてくる。感情のコントロールに問題があるヴァルカン人。地球人とのハーフでもある。ウェンディが自分とスポックに通じるものがあると感じていることは明白で、それを前提に話が進む。案外の間口の狭い作りだ。

 ウェンディのロードトリップに目新しさはない。ちょっとした小旅行に訪れるハプニングの数々。ウェンディが揉まれるのは不寛容や悪意というやつで、なるほど自閉症に限らず、世間一般で言うところのフツーとはちょっと違う人に、社会は決して優しくない。それでも時折差し出される明かりは、ウェンディへのささやかなプレゼント。トレッキーが物を言うあたりは嬉しい気分だけれど、ちょっと良い話方向にまとめる作為が透ける。

 ダコタ・ファニングの自閉症演技はまずまずといったところで、ウェンディの真っ直ぐな心は捉えているものの、ちょっと力み過ぎかもしれない。目を見開いてまくしたてるばかりなのは疲れてしまう。ファニングというより、演出の問題というのが正しいか。

 しかし、より気になるのは、ウェンディを取り巻く人々の描き方だ。養護施設職員のコレットとウェンディの姉であるアリス・イヴ。ウェンディの視点に絞らず、彼女たちにもストーリーを用意するものの、ほとんど機能しない。それぞれの立場への配慮が、退屈な飾りに終わっている。





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