プラウド・メアリー

プラウド・メアリー “Proud Mary”

監督:ババク・ナジャフィ

出演:タラジ・P・ヘンソン、ダニー・グローヴァー、ビリー・ブラウン、
   ジャディ・ディアロ・ウィンストン、ニール・マクドノー、
   マーガレット・エイヴリー、ザンダー・バークレイ、
   ラデ・シェルベッジア、エリック・ラレイ・ハーヴェイ

評価:★★




 最近のタラジ・P・ヘンソンにおっかないイメージがつきまとうのは、もちろんTV シリーズ「エンパイア 成功の代償」(15年~)におけるクッキー役の影響だ。『プラウド・メアリー』はそれを活かさない手はないと作られた映画のはずで、簡単に言えば「グロリア」(80年)にブラッスクプロイテーションのエッセンスを注いだような外観。なるほどヘンソンに似合いそうな世界観だ。

 カッケー車とカッケー銃とカッケー音楽、そしてイイオンナ。これが揃えば勝算は高い。…はずだった。実際、思わず身を乗り出したくなる画はある。ヘンソンの強気の顔つきは、車や銃、音楽と確かに相性が良い。ブラックスーツでガンガン攻める様子、ヘンソンもノリノリで演じていることが分かる。ところが…。

 ところが、アクション以外の場面があまりに退屈だ。第一に殺し屋であるヒロインの母性に説得力がない。自分が殺した男に幼い息子がいたことを知り、彼の守護天使のようになるヒロインだけれど、何故そこまで彼に固執するのか、ちっとも分からない。自分の境遇と似ているからだとするなら、そこをもっと丁寧に説明するべきだ。妙に泣き顔が多いのも鬱陶しいではないか。

 また、子どもに自分が父親の仇だとバレるバレない、子どもを匿っているとボスにバレるバレない…といったサスペンスがチープだ。まあ、仰々しいそれが似合わない題材には違いないものの、それにしても自我を確立した大人の女の問題への向き合い方としては、煮え切らないものを感じる。

 つまり、ヒロインの魅力がヘンソンのそれだけではカヴァーできないものがある。この手の映画はヒロインの生き方が格好良く見えなくては、嘘だ。裏社会云々は抜きにして、思わず喝采を贈りたくなるような、小股の切れ上がったイイオンナ。彼女への憧れが物語の大切な燃料であるべきだ。子どももしたたかに見せかけて、実はどうしようもなく純情で寂しがり屋。ベタベタな関係がそぐわない。

 クライマックス、ご機嫌な音楽に乗せてヒロインが爽快なアクションをキメる。これに合わせた物語を構築するべきだったのだろう。ダークな展開になっても過剰に深入りせず、カラッと陽気に、スコーンと抜けるようなリズムで突っ切っていく。その魂を見失っては物語が跳ねようがない。結果、ストーリーから大いに浮き上がったクライマックスのアクション。最後に見せるヒロインと子どものやりとりに喜んでいる場合ではない。





ブログパーツ

スポンサーサイト

テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

プロフィール

Author:Yoshi
Planet Board(掲示板)

旧FILM PLANET

OSCAR PLANET




since April 4, 2000

バナー
FILM PLANET バナー

人気ページ<月別>
検索フォーム
最新記事
カテゴリ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

月別アーカイブ
最新トラックバック
QRコード
QRコード
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

Friends
福☆こもろ