第76回ゴールデン・グローブ賞 ノミネーション予想

※この文章は、アカデミー賞専門サイトOSCAR PLANETのために書いたものの転載になります[先行公開]。




 「映画」が「テレビ」より格上。そんな風に思われていたのは遠い昔。今やその垣根は完全になくなったと言って良いでしょう。映画スターのTVシリーズ、リミテッドシリーズ出演が連日報道されています。映画では制約を受けることも、テレビの中では自由に表現できる。そんな声も方々から聞こえてきます。Netflixの影響もあり、(TV作品扱いとなる)ネット配信シリーズが完全に市民権を得たのも大きいと思われます。

 当然エミー賞はもちろん、テレビ部門が設けられているゴールデン・グローブ賞の顔ぶれは華やかになります。候補が、これは映画部門ではないかと見間違う顔ぶれになることも珍しくなくなりました。元々スター寄りのゴールデン・グローブ賞ですから、必然的なこととして見ることも可能でしょう。

 ただ、ちょっと引っ掛かることもあるのです。テレビでまず成功し、続いて映画へと進出、成功を収めるという従来良く見られたパターンが失われつつあるように思えるのが寂しいのです。いきなり映画で成功を収めることは今でも稀な出来事で、テレビからキャリアをスタートさせる俳優は少なくありません。彼らは必死の思いでテレビでチャンスを掴み、少しずつ役柄が大きくなり、遂に役柄に恵まれ、演技が評価され、人気を獲得し、賞に顔を出すまでになる。TVスター誕生の瞬間です。そして、そこから今度は映画へステップアップを目指す。

 このキャリアの流れを眺めることは、映画スターが生まれる過程を目撃することでもあり、それはある意味リアリティショーに通じる面白さがあると思うのです。例えば『ボヘミアン・ラプソディ』で注目を集めるラミ・マレックは「MR. ROBOT/ミスター・ロボット」の出演がキャリアの転機となりました。『ファースト・マン』のクレア・フォイは「ウルフ・ホール」「ザ・クラウン」への出演でスターに駆け上がる足掛かりを作りました。ふたりは今年、映画で結果を残し、オスカー候補が噂されるまでになっています。我々はそんな彼らの躍進を、スター誕生のひとつの理想として楽しんできました。どちらもその過程で、ゴールデン・グローブ賞のノミネートや受賞を経験しています。

 映画スターがテレビのフィールドに進出することにより、テレビ向けの賞を業界でパワーを持つ映画スターが席巻し、そういう分かり易い流れが見え辛くなるのは、寂しい。いや、もちろんそれは勝手にそれを楽しんでいるこちら側の問題だとは分かっているのですが、スター誕生の興奮を味わう機会が失われつつあるように思えるのです。まあ、映画スターを知名度の低い俳優が打ち負かすという新たな面白さは出てきたのですが…。

 さて、そんなこんなで今年も全く深く考えず、主要9部門のノミネート予想をしてみました。本当はテレビ部門の予想もしたいのですが、ドツボにハマりそうなので、やめておきます。




◆作品賞<ドラマ部門>
ブラックパンサー
ブラック・クランズマン
ファースト・マン
ビール・ストリートの恋人たち
アリー スター誕生 Lock

if six...
ボヘミアン・ラプソディ
Boy Erased
妻たちの落とし前


◆作品賞<コメディ/ミュージカル部門>
クレイジー・リッチ!
女王陛下のお気に入り Lock
Green Book Lock
メリー・ポピンズ リターンズ Lock
Vice

if six...
Eighth Grade
Sorry to Bother You
タリーと私の秘密の時間


◆監督賞
デイミアン・チャゼル(ファースト・マン)
ブラッドリー・クーパー(アリー スター誕生) Lock
アルフォンソ・キュアロン(ROMA ローマ) Lock
ヨルゴス・ランティモス(女王陛下のお気に入り)
スパイク・リー(ブラック・クランズマン)

if six...
ピーター・ファレリー(Green Book)
バリー・ジェンキンス(ビール・ストリートの恋人たち)
ロブ・マーシャル(メリー・ポピンズ リターンズ)


◆主演男優賞<ドラマ部門>
ブラッドリー・クーパー(アリー スター誕生) Lock
ライアン・ゴズリング(ファースト・マン) 
ルーカス・ヘッジズ(Boy Erased)
ヒュー・ジャックマン(フロントランナー)
ラミ・マレック(ボヘミアン・ラプソディ)

if six...
ウィレム・デフォー(At Eternity's Gate)
イーサン・ホーク(First Reformed)
ジョン・デヴィッド・ワシントン(ブラック・クランズマン)


◆主演男優賞<コメディ/ミュージカル部門>
クリスチャン・ベール(Vice) Lock
ヴィゴ・モーテンセン(Green Book) Lock
ロバート・レッドフォード(The Old Man & the Gun)
ニック・ロビンソン(LOVE,サイモン 17歳の告白)
ラキース・スタンフィールド(Sorry to Bother You)

if six...
リン=マニュエル・ミランダ(メリー・ポピンズ リターンズ)
ジョン・C・ライリー(The Sisters Brothers)
ライアン・レイノルズ(デッドプール2)


◆主演女優賞<ドラマ部門>
グレン・クローズ(天才作家の妻 40年目の真実) Lock
トニ・コレット(ヘレディタリー 継承)
レディー・ガガ(アリー スター誕生) Lock
メリッサ・マッカーシー(Can You Ever Forgive Me?)
ジュリア・ロバーツ(Ben Is Back)

if six...
ヤリーツァ・アパリシオ(ROMA ローマ)
ヴィオラ・デイヴィス(妻たちの落とし前)
ニコール・キッドマン(Destroyer)


◆主演女優賞<コメディ/ミュージカル部門>
エミリー・ブラント(メリー・ポピンズ リターンズ) Lock
オリヴィア・コールマン(女王陛下のお気に入り) Lock
エルシー・フィッシャー(Eighth Grade)
シャーリズ・セロン(タリーと私の秘密の時間)
コンスタンス・ウー(クレイジー・リッチ!))

if six...
サンドラ・ブロック(オーシャンズ8
レイチェル・マクアダムス(Game Night)
リリー・ジェームズ(マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー)


◆助演男優賞
マハーシャラ・アリ(Green Book) Lock
ティモシー・シャラメ(Beautiful Boy)
サム・エリオット(アリー スター誕生)
リチャード・E・グラント(Can You Ever Forgive Me?)
マイケル・B・ジョーダン(ブラックパンサー)

if six...
アダム・ドライヴァー(ブラック・クランズマン)
ニコラス・ホルト(女王陛下のお気に入り)
サム・ロックウェル(Vice)


◆助演女優賞
エイミー・アダムス(Vice)
ニコール・キッドマン(Boy Erased)
レジーナ・キング(ビール・ストリートの恋人たち)
エマ・ストーン(女王陛下のお気に入り)
レイチェル・ワイズ(女王陛下のお気に入り)

if six...
エミリー・ブラント(クワイエット・プレイス)
クレア・フォイ(ファースト・マン)
ミシェル・ヨー(クレイジー・リッチ!)




 これまで、歌曲が大々的に取り上げられる作品はコメディ/ミュージカル部門にカテゴライズされてきたのですが、『アリー スター誕生』『ボヘミアン・ラプソディ』はどちらもドラマ部門での参戦になるようです。作品のトーンを考えれば、不思議なことではないのですが、このあたりゴールデン・グローブは相変わらず基準が曖昧です。

 そしてこの二本がドラマ部門に入ったことで、コメディ/ミュージカル部門は予想に苦労することになりました。高評価のヒット作を中心に選んでみたのですが、どうでしょう。『LOVE,サイモン 17歳の告白』のニック・ロビンソンや『Sorry to Bother You』のラキース・スタンフィールドは難しいでしょうか。『Eighth Grade』のエルシー・フィッシャーはイケそうな気がします。

 皆さんも気楽に、遊び気分で予想してみてはいかがでしょう?





ブログパーツ

スポンサーサイト

テーマ : 映画関連ネタ
ジャンル : 映画

プロフィール

Author:Yoshi
Planet Board(掲示板)

旧FILM PLANET

OSCAR PLANET




since April 4, 2000

バナー
FILM PLANET バナー

人気ページ<月別>
検索フォーム
最新記事
カテゴリ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

月別アーカイブ
最新トラックバック
QRコード
QRコード
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

Friends
福☆こもろ