November 16-18 2018, Weekend

◆11月第3週公開映画BUZZ


“Green Book”
 配給:ブリーカー・ストリート
 監督:ピーター・ファレリー
 Budget:$23,000,000
 Weekend Box Office:$320,429(25)
 OSCAR PLANET Score:81.6 BIG WAVE!!!
 Oscar Potential:作品賞監督賞脚本賞
           主演男優賞:ヴィゴ・モーテンセン
           助演男優賞:マハーシャラ・アリ
           助演女優賞:リンダ・カーデリーニ
           撮影賞、編集賞、美術賞、衣装デザイン賞
           録音賞、音響効果賞、作曲賞

妻たちの落とし前 “Widows”
 配給:20世紀フォックス
 監督:スティーヴ・マックイーン
 Budget:$42,000,000
 Weekend Box Office:$12,361,307(2803)
 OSCAR PLANET Score:87.3 BIG WAVE!!!
 Oscar Potential:作品賞監督賞脚色賞
           主演女優賞:ヴィオラ・デイヴィス
           助演男優賞:ロバート・デュヴァル
           助演男優賞:コリン・ファレル
           助演男優賞:ダニエル・カルーヤ
           助演男優賞:リーアム・ニーソン
           助演女優賞:エリザベス・デビッキ
           助演女優賞:シンシア・エリヴォ
           助演女優賞:ミシェル・ロドリゲス
           助演女優賞:ジャッキー・ウィーヴァー
           撮影賞編集賞、美術賞、衣装デザイン賞、メイキャップ&ヘアスタイリング賞
           録音賞、音響効果賞、作曲賞

“At Eternity's Gate”
 配給:CBSフィルムズ
 監督:ジュリアン・シュナーベル
 Budget:-
 Weekend Box Office:$92,856(4) Great!
 OSCAR PLANET Score:79.3
 Oscar Potential:作品賞、監督賞、脚本賞
           主演男優賞:ウィレム・デフォー
           助演男優賞:ルパート・フレンド
           助演男優賞:オスカー・アイザック
           撮影賞、編集賞、美術賞衣装デザイン賞
           メイキャップ&ヘアスタイリング賞、作曲賞

バスターのバラード “The Ballad of Buster Scruggs”
 配給:Netflix
 監督:ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン
 Budget:-
 Weekend Box Office:-
 OSCAR PLANET Score:84.2 BIG WAVE!!!
 Oscar Potential:作品賞、監督賞、脚本賞
           助演男優賞:ティム・ブレイク・ネルソン
           撮影賞、編集賞、美術賞衣装デザイン賞、メイキャップ&ヘアスタイリング賞
           録音賞音響効果賞、作曲賞

ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生 “Fantastic Beasts: The Crimes of Grindelwald”
 配給:ワーナー・ブラザース
 監督:デヴィッド・イェーツ
 Budget:$200,000,000
 Weekend Box Office:$62,163,104(4163) Good!
 OSCAR PLANET Score:48.9
 Oscar Potential:主演男優賞:エディ・レッドメイン
           助演男優賞:ジョニー・デップ
           助演男優賞:ダン・フォグラー
           助演男優賞:ジュード・ロウ
           助演男優賞:エズラ・ミラー
           助演女優賞:キャサリン・ウォーターストン
           撮影賞、編集賞、美術賞衣装デザイン賞メイキャップ&ヘアスタイリング賞
           録音賞音響効果賞作曲賞

“Instant Family”
 配給:パラマウント
 監督:ショーン・アンダース
 Budget:$48,000,000
 Weekend Box Office:$14,504,315(3286)
 OSCAR PLANET Score:68.9
 Golden Globe Potential:作品賞、監督賞、脚本賞
                主演男優賞:マーク・ウォルバーグ
                主演女優賞:ローズ・バーン

“Speed Kills”
 配給:サバン・フィルムズ
 監督:ジョン・ラッセンホップ
 Budget:-
 Weekend Box Office:-
 OSCAR PLANET Score:18.6 BIG BOMB!!!
 Razzie Potential:作品賞監督賞脚本賞
           主演男優賞:ジョン・トラヴォルタ
           助演女優賞:ミラ・ソルヴィーノ


※OSCAR PLANET Score…各有力媒体の批評を基にOSCAR PLANET独自の計算法により弾き出した評価バロメーター。作品賞、監督賞&脚本賞レース参戦を目指すのであれば、少なくとも70.0以上は欲しく、80.0以上なら堂々たる資格を具えていると考えて良い。ただし、演技賞や技術賞では作品評価が伸びなくても、候補入りする場合が少なくない。

※Oscar Potential…オスカーチャンスのある部門。太字は特にその可能性が高い。


【総括】
 トロント国際映画祭の観客賞受賞はオスカーへの最短切符と言われて久しい昨今、今年その栄誉を勝ち取ったのがピーター・ファレリー単独監督作『Green Book』。1960年代、人種差別が色濃く残るアメリカ南部を舞台に、アフリカ系のジャズピアニストと彼のツアードライヴァーを務めることになった保守的なイタリア系白人の交流を描く。プレミア直後から、21世紀版「ドライビング Miss デイジー」との形容がよく聞かれてきたのだが、あながちそれも間違いではないようで、タイプキャスト的キャラクターを塗した、どこかで見たような物語でも、匙加減が悪くない演出と主演ふたりの強力な演技のおかげで、気持良く見られるとの声が途切れない。とりわけ主演を務めるヴィゴ・モーテンセンとマハーシャラ・アリに関しては満場一致の絶賛で統一。彼らのパフォーマンスが欠点の少なくない作品のレヴェルを何段階も引き上げているという。所謂フィールグッド・ムービーとして大いに見る価値のある仕上がりと認定して良いのではないか。オスカーではおそらく、「嫌われない」作りが大いに武器になる。No.1票に推す者は少なくとも(有力紙の判定が厳しい。白人に都合の良い面が目立つ?)、誰もが作品を支持することで、最終的に大変な得票を得るのではないか。モーテンセンとアリは受賞もあり得ない話ではないかもしれない。ただ、気がかりなのは興行成績で、限定封切で瞬発力の感じられないスタート。フィールグッド・ムービーの賞レース参戦は、興行成績の成功も大変重要になる。次週以降始まる拡大公開の行方が気にかかるところ。

 「それでも夜は明ける」(13年)をオスカー作品賞に導いたスティーヴ・マックイーンの新作が遂に完成。その『妻たちの落とし前』は1983年に製作された英国のミニシリーズを換骨奪胎、映画化したもの。犯罪者の夫たちが遺した負債を返済すべく、妻たち四人が結託、強盗を計画する。このプロットから分かる通り、非常に娯楽性の高い内容で、マックイーンが新しい領域に突入したことを感じさせる。果たして、その仕上がりはまたしても批評家の絶賛で統一。エンターテイメントのツボを上手に抑えた演出と実力派俳優たちのアンサンブルが見事に絡み合い、かつ物語に浮かび上がるメッセージもエモーショナル。観客は強盗スリラーとして単純に楽しみながら、いつしか胸の中に熱いものがこみ上げてくるという、娯楽作として大変充実したレヴェルにあるとのこと。娯楽作ゆえに賞レースがどんな展開になるのか読み辛いものの、少なくとも目に留められても全くおかしくない賛辞と言える。とりわけ主演女優のヴィオラ・デイヴィスは期待しても良いのではないか。ただ、興行的には平凡な出足。娯楽作というハンディをカヴァーするパフォーマンスが欲しかったのだが…。

 ヴェネチア国際映画祭でウィレム・デフォーが男優賞を獲得したのが『At Eternity's Gate』。デフォーが演じるのは天才画家フィンセント・ファン・ゴッホ。心に闇を抱え、周囲の人々から孤立した人生を余儀なくされた彼の生き方を描き出していく。手掛けるのが自身もアーティストであるジュリアン・シュナーベルというのは、なるほど納得するところで、シュナーベルはゴッホの作風を映像に取り込む実験的画面作りにも挑んでいるという。果たして、その出来映えは概ね好評。トラブルに塗れたゴッホの晩年が、デフォーの眩いパフォーマンスも手伝い、大変興味深い肖像として浮かび上がっているという。ただ、ゴッホへの敬意が作り手の自己満足に終わっているとの指摘も少なくはないか。賞レース参戦があるとするなら、撮影賞、主演男優賞(デフォー)あたりになるだろう。Box Officeで限定封切りで好スタートを切ったのは、明るい材料と言える。

 同じくヴェネチア映画祭で好評を博したコーエン兄弟監督作『バスターのバラード』が公開へ。アメリカ開拓時代、6つのエピソードを描くアンソロジー形式のブラック・コメディ。元々はNetflixがTVシリーズとして製作したものを映画に変更したという経緯がある。映画祭では見事脚本賞を受賞したことからも察せられるように、出来映えは安定のコーエン兄弟印と好意的見解に包まれている。即ちダークなドラマと毒の効いたユーモアが絶妙のバランスで融合され、一貫性のないバラバラの話の寄せ集めになる危険を回避、充実の世界観が展開される。配役された性格スターたちも気持ち良さそうに演技しているとのこと。作品の構成を考えると賞レース向きでないことは確かだが、批評家賞や、或いはオスカーでも脚本賞で目に留められる可能性は残されているのではないか。

 以上は賞レース主要部門での活躍が期待される作品だが、Box Officeの主役となるのはもちろん『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』。「ハリー・ポッター」シリーズからのスピンオフ、「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」(16年)の続編。「ハリー・ポッター」シリーズの中では「歴史」として語られたエピソードが映像化された。悪の魔法使いゲラート・グリンデルバルドが逃走、アルバス・ダンブルドアの命を受け、彼を追いかけるニュート・スキャマンダーの冒険が描かれる。もちろん前作からエディ・レッドメイン始め主要キャストは続投、好評を博した前作と同程度のジャッジが期待されたのだが、残念、評価は前作に及ばず。「ハリー・ポッター」シリーズから受け継いだその世界観はヴィジュアルも含めて大いに魅力的ではあるものの、新たに書き下ろされたストーリーが弱く、キャラクターも活かし切れていないとの声が多い。退屈はせず、決して完全なる失敗作ではないとのことだが、期待外れの判定であることは間違いないだろう。オスカーレース参戦は美術賞、衣装デザイン賞等技術賞での候補入りも、今回は厳しいかもしれない。さて、…となるとせめて興行成績は前作を上回りたかったところなのだが、残念ながらこちらも前作に及ばず。…と言ってもメガヒットへの発展は確実、海外では既に旋風を巻き起こしていることを考えれば、悲観的になることもないか。

 コメディ好きには『Instant Family』が登場。養子を一人迎えることにした夫婦が、思いがけず三人の子どもの親となる。血の繋がらない彼らが本物の家族になっていく様を描く、ホリデイシーズンらしいファミリー・コメディと言えようか。実際に養子縁組制度のように複雑に描き込まれているわけではないもの、映画にあるべきハートがたっぷり詰め込まれ気持良く見られると、批評家筋からも好意的意見が優勢。マーク・ウォルバーグやローズ・バーンら大人のキャストはもちろんのこと、子役たちも生き生きとしているという。賞レース向きの作品ではないものの、ゴールデン・グローブ賞ならチャンスが残されているかもしれない。興行的には可もなく不可もなくの出足だが、口コミ効果で腰の強いパフォーマンスになることが期待されている。





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