夜が明けるまで

夜が明けるまで “Our Souls at Night”

監督:リテーシュ・バトラ

出演:ロバート・レッドフォード、ジェーン・フォンダ、イアン・アーミテージ、
   マティアス・スーナールツ、ジュディ・グリア、ブルース・ダーン

評価:★★★




 ジェーン・フォンダが隣人であるロバート・レッドフォードの家を訪れ、いきなり「一緒に寝てみない?」と誘いをかけるのでひっくり返る。当然レッドフォードも困惑するわけだけれど、その後フォンダは続けるのだ。セックスをするのではなく、ただ一緒に並んで寝るだけだと。つまりフォンダはレッドフォードに話し相手になって欲しいというのだ。これを分別があると言うべきか否か。何となく、ある種のプレイに見えなくもないのが怖いふたり。

 そんなわけで『夜が明けるまで』のふたりは、ピロートーク(とこの場合も言うのだろうか)によりその関係を深めていく。現役から随分離れた現状。浮気で妻子を傷つけたこと。不慮の事故で娘を失ったこと。配偶者の闘病を見守ったこと。残りの人生に散らばる夢。最初の晩、フォンダが一分も経たない内に眠りに入ってしまうのは笑いどころか。いや、寝つきが良いって素晴らしい。

 ピロートークの画だけでは持たせられないから(だって本当にホラーになってしまう)、何とか画面に緩急をつける工夫がなされる。フォンダの7歳の孫を投入するのを皮切りに、つま先をなくした犬が引き取られ、孫と一緒にキャンプに行き、リゾートホテルにバカンスにも行く。この年代の話ならお約束の病院ネタもある。あぁ、ジイサンバアサン頑張りまっせ。その間もプレイは続く。一線は越えません。

 若くはないふたりの姿を見つめながら浮かび上がるのは、何歳になっても人生は輝く、人生は変えられる、というお決まりのテーマだ。そう、別にここに掲げられるのは、大層なものではない。老人を主人公にした映画でありがちだと言っても良い。ただ、老優ふたり…と言うより年配の人々への敬意はちゃんと感じられるので、その尊さは嘘臭く映らない。

 それにレッドフォードとフォンダが意地を見せる。レッドフォードはネルシャツとジーンズ、フォンダはプリントシャツとジーンズが基本のファッションで、これがちゃんと様になっていると言うか、着こなしていると言うか。レッドフォードは老人特有の身体のだぶつきからは逃れられていないし、フォンダには若干のメルヘン臭が漂うものの、いやいや、ここまでキープしているのはさすがと讃えるべきなのだろう。現代最高の外科技術の手が入っていたとしても、だ。

 まあ、エピソードの一つひとつが浅いところで切り上げられている嫌いはある。感情の深いところまで入り込むことで話を重くしたくなかったのかもしれない。ただ、スモールトークで話を切り貼りしたような気配は気になる。終幕にメロドラマになる手前ぐらいの大きな山を作っても良かったのではないか。フォンダのだらしない息子を登場させるくらいじゃ、甘い。少々老優ふたりに頼り過ぎだろう。





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