ヒットマンズ・ボディガード

ヒットマンズ・ボディガード “The Hitman's Bodyguard”

監督:パトリック・ヒューズ

出演:ライアン・レイノルズ、サミュエル・L・ジャクソン、
   ゲイリー・オールドマン、サルマ・ハエック、エロディ・ユン、
   ヨアキム・デ・アルメイダ、リチャード・E・グラント

評価:★★




 「護送物」映画の人気は根強いようで、忘れた頃に新作が作られてきた。21世紀に入ってからだけでも「16ブロック」(06年)「3時10分、決断のとき」(07年)「デンジャラス・ラン」(12年)あたりがパッと思い浮かぶ。反発し合っていた男ふたりの間に芽生えるものにドラマを見つけやすいからだろうか。『ヒットマンズ・ボディガード』も同じ流れに入る。

 護送されるのは凄腕ヒットマンのサミュエル・L・ジャクソン、護送するのは一流ボディガードのライアン・レイノルズだ。この組み合わせだけで、「平凡」が滲み出る。イメージ通りの配役で、それ以上でもそれ以下でもない。そんな予感が過り、あっさりそれが的中するのだ。全てにおいて、観る者を驚かせることがない。ベタで勝負の2時間弱。

 予想外のものはない。新しいものもない。けれど、ここには代わりに安定感があり、それこそが魅力ということも可能だろうか。昨今のアクション映画はハリウッドに蔓延るシリアス至上主義の影響で、深刻なものが大半。こんな風にのんびり気楽に見られる気配、胡坐かいてコーラとポップコーンで飲み食いしながら、暇つぶし目的に画面を眺められるのが、妙に嬉しい気分を誘う。80年代、いや90年代アクションの懐かしいノリが悪くないのだ。

 それにやっぱりジャクソンが可笑しい。睨みひとつで相手を石化できそうな怖い顔で(日本でジャクソンの代役ができるのは遠藤憲一ぐらいか)、軽いノリを老いを感じさせない身体に落とし込む。レイノルズとの掛け合いは、憎しみから始まり、身の上話をするようになり、互いを認めるようになり、でも時に裏切り、結局最後は尊敬で終わるという典型を守りながら、それでも一定の楽しさはある。デッドプール役から離れるとチープさが生きないレイノルズ相手でも、それを実現させるのだ。

 ただ、ジャクソンなら、妻役のサルマ・ハエックとの絡みをもっと観たかった。ハエックはあの強面ジャクソンをゴキブリと言い放つ恐妻。ジャクソンはそんなハエックに惚れ込んでいるという愉快な設定で、ゴキブリはゴキブリでも「ロマンティックなゴキブリ」と化すのだ。あっさりこのふたりで番外編ができそうじゃないか。

 クライマックスの大混乱は、どう考えても余計だ。ゲイリー・オールドマンをひと暴れさせたかったのだろう。けれど、ただでさえ一般人を巻き込んだ迷惑さが気になるのにそれをダメ押し、上映時間もダラダラ長くなった印象。早々に明かされた裏切り者の動かし方もアイデア不足を露呈する。それに最後なのに、ジャクソンとレイノルズのコンビネーションアクションがほとんど見られないのもどうなんだろう。まあ、イチャモンを投げ掛けられるのもこの手の映画の醍醐味。寛容な気持ちになった時点で、こちらの負けかもしれない。





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