アナイアレイション 全滅領域

アナイアレイション 全滅領域 “Annihilation”

監督:アレックス・ガーランド

出演:ナタリー・ポートマン、ジェニファー・ジェイソン・リー、ジーナ・ロドリゲス、
   テッサ・トンプソン、ツヴァ・ノヴォトニー、オスカー・アイザック、
   ベネディクト・ウォン、ソノヤ・ミズノ、デヴィッド・ジャーシー

評価:★★★




 SFと哲学を結びつけたかのような作品が続いている。「インターステラー」(14年)「メッセージ」(16年)に続くのは、『アナイアレイション 全滅領域』だ。手掛けるアレックス・ガーランドは「エクス・マキナ」(15年)で独特の映像を創り上げた。勝算はある。今回ガーランドは人里離れた研究所から、謎の光に包まれた森深く、シマーと呼ばれる湿地帯に舞台を移す。

 そこに足を踏み入れた五人の女たちは瞬く間に数日間の記憶をなくす。通信は途絶える。同じ株からたくさんの種類の花が咲き、ワニやクマが姿を変えて襲い来る。人型の木々が点在し、目的地である灯台には地下に謎の空間が広がる。シマーでは心と身体が崩壊するのだ。

 ガーランドはここで、「エクス・マキナ」とは違った形で、「美と残酷の共存」を実現させる。SFというジャンルにおいては、若しくは己が手掛ける映画においては、それこそが最重要事項だと気づいている。そこは全てのDNAを反射する空間だと判明。理由づけを手に入れたガーランドは、奇妙で奇怪、それでいてどこか美しくもある生き物や物質、映像を捻り出すことに全てを捧げる。

 とりわけ様々な形で見えてくる生き物の屍の数々が印象的だ。己が己でなくなる空間。自然と溶け合ったような色が貼りつき、木々や花と同化したようなそれが、美と残酷という名の下に、まだ意識を持つ人間たちを見つめる。人々は自身の存在にすら疑問を持ち始める。

 議論を呼ぶのは視覚効果の是非ではないか。森の外側に見えるアメーバ的映像の揺れからして少々チープだけれど、クライマックス、灯台で繰り広げられる一連のエピソードに出てくる視覚効果は、話の哲学性や捻られた真実等、シリアスな中では妙に浮き上がる。金がかかっていることは分かるものの、その分、創造性と想像性が安易な方に流れた感。だってすぐ傍らには、深刻顔のナタリー・ポートマンがいるのだ。

 ポートマンは意外にもSFの中で違和感がない(某シリーズでは痛々しいほどだったのに)。中盤はほとんど視覚効果を抑え、美術を中心に空間を創り出しているため、SFの色が主張しないのが功を奏したか。幼児体型もこの際、生身の人間らしさを強調するのに悪くない。他の女優たちとの絡みはもっと丁々発止のそれがあっても良かったものの、SF映画のヒロインとしての仕事は無難にこなしている。





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