ブライト

ブライト “Bright”

監督:デヴィッド・エアー

出演:ウィル・スミス、ジョエル・エドガートン、ノオミ・ラパス、
   ルーシー・フライ、エドガー・ラミレス、アイク・バリンホルツ、
   ブラッド・ヘンケ、エンリケ・ムルシアーノ、
   アレックス・メラズ、ジェイ・ヘルナンデス

評価:★




 ファンタジーで最も重要なのは、その世界観にどれだけ説得力を持たせられるか、だ。細部の緻密さが求められるのは、薄っぺらなそれでは子ども騙しにしか見えず、大の大人ではついていくことが難しくなるからだ。『ブライト』が舞台とするのは、人間がオークやエルフ、ドワーフ、フェアリーらと共存するのが当たり前の世界だという。「ロード・オブ・ザ・リング」(01年)と同じようだけれど、どっこい、こちらは映画ではお馴染み、ロサンゼルスで物語が展開する。

 果たして、この世界観がバカバカしい。この世界では人間の美的感覚からすると恐ろしい顔をしたオークが差別を受けている。…と書けば瞬時に察しがつく。ここは現代社会を反映したファンタジーワールドだ。オークたちは黒人にあたり、多くの人間たちは白人の姿だ。白人警官による黒人への過剰暴力を思わせる場面があるし、エルフが仕切る魔法捜査官はFBIを連想させる。

 つまり作り手は悦に入る。何に?ファンタジーに今の社会を投影したことに、だ。こんなに分かりやすい比喩もなく、けれど、それだけで得意になっているのが、いっそ、おめでたい。わざわざ多様性という言葉を担ぎ出し、さあ、皆で一致団結しようと呼びかけるのだ。でもちょっと待て。そもそもオークを黒人に見るってどうなんだ。そもそもそれが差別的、白人至上主義的ではないか。

 博愛を謳いながら、ウィル・スミス演じる主人公警官(人間)にしても、ジョエル・エドガートン扮するオーク警官への威張った態度が不快を極める。差別が根底にあるがゆえのそれであると透けているからだ。スミスが変わっていくところを見せたいということなのだろうと推察できても、むしろ差別が抱える闇はそんな簡単なものではないと白けた気分になる。

 せめてこれがコメディならば良かった。人間警官とオーク警官によるバディ物と見ることが可能な設定で、しかも片方は喜劇のリズムを習得しているスミスが担っていて、それなのに常に深刻顔で話が進められる不思議。もしかしたら差別を扱っているがゆえに、喜劇にはできないと踏んだのだろうか。とんだ勘違いだ。

 話もアクションも退屈なこと。ブライド、ワンド、ダーク・ロード、インファーニ、拘束の呪文…次々出てくる用語を理解したいと思わせない平坦な画の羅列。鍵を握るワンドという名の魔法の杖は、何でもできるという設定がサスペンスを目減りさせる。収穫と言ったら、エルフに扮したノオミ・ラパスが、ファンタジー向きの容姿だと証明したことぐらいではないか。





ブログパーツ

blogram投票ボタン

スポンサーサイト

テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

プロフィール

Author:Yoshi
Planet Board(掲示板)

旧FILM PLANET

OSCAR PLANET




since April 4, 2000

バナー
FILM PLANET バナー

人気ページ<月別>
検索フォーム
最新記事
カテゴリ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

月別アーカイブ
最新トラックバック
QRコード
QRコード
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

Friends
福☆こもろ