オクジャ okja

オクジャ okja “Okja”

監督:ポン・ジュノ

出演:アン・ソヒョン、ティルダ・スウィントン、ポール・ダノ、
   ジェイク・ギレンホール、ピョン・ヒボン、スティーヴン・ユァン、
   リリー・コリンズ、ヨン・ジェムン、シャーリー・ヘンダーソン、
   ダニエル・ヘンシュオール、デヴォン・ボスティック、
   チェン・ウシク、ジャンカルロ・エスポジート

評価:★★★




 タイトルの『オクジャ okja』とは、とあるアメリカの多国籍企業が遺伝子操作により生み出した生物の一頭につけられた名前だ。怪獣という触れ込みだったものの、スーパーピッグと紹介される。けれど、ブタというよりはカバという形容が正解だろう。巨大カバがダックスフント風の耳を装着している感じ。全然怖くない。むしろ可愛い。ミジャという名の韓国少女じゃなくても、そりゃ愛さずにはいられない。

 ミジャとオクジャの暮らしを綴った最初の30分が素晴らしい。韓国の山奥で暮らす一人と一頭が、文明からどれだけ切り離された生活であろうと、生き生きと息をして駆け回る様に心洗われる。優しい日差しと風、綺麗な空気に囲まれた緑、それさえあれば良い。

 オクジャとミジャの掛け合いの微笑ましいこと。オクジャが坂道を転がり、木にぶつかっては柿が落ちてくる可笑しさ。大きな池に飛び込んで飛沫を上げ、その後脱糞する際のまさかの詩情。仰向けになったオクジャの腹の上で、ミジャが昼寝する快感。ミジャがオクジャの大きな口の中に入り込んで歯磨きする、ムツゴロウさん的ユーモア。ミジャが崖から落ちそうになるときのアクションもひっくるめて完璧。ミジャとオクジャの性格や関係性、知恵とハートがアッという間にスケッチされる。

 続いてソウルの街で巻き起こる活劇も楽しい。不敵な面構えのミジャ(伊藤沙莉を思わせるアン・ソヒョン)が飛び技を見せるわ、オクジャが放り込まれるトラックの高さがサスペンスを生み出すわ、トンネルや地下にオクジャを出現させる画的な面白さもあるわ…。ここまで来ると、完璧にミジャとオクジャに肩入れする。絶対に離れてはいけないふたり。

 だからニューヨークに渡ってからの、覚束ない物語の足取りが惜しい。マスコミやテレビを巻き込んでの喧騒が煩く、オクジャとミジャが離れた場面が多くなって味気ない。この際、動物解放を訴える過激派集団を担ぎ出したり、食品の残酷な加工場面が入れ込まれるのも、違和感大。命や食、科学、人間の驕りといった掲げられたテーマに説教臭さが付着し、必要以上に暗くどんよりした気分に誘われるのだ。ミジャとオクジャのコンビネーション・アクションが見られないのも無念だ。

 映画ファンにはおなじみの欧米キャストは皆怪演。良い人に見せながら狂気をちらつかせるポール・ダノ、ほとんどサシャ・バロン・コーエン的立ち位置に入るジェイク・ギレンホール、そして二役を充てられぶっ飛んだスタイルを貫くティルダ・スウィントン。とりわけスウィントンの愛され具合が印象的。ミジャとオクジャは彼らに囲まれても怯まない、潰れない、むしろ果敢に立ち向かう。彼らの造形だけは、見誤られなかった、その証だろう。





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