アンフォゲッタブル

アンフォゲッタブル “Unforgettable”

監督:デニース・ディ・ノヴィ

出演:ロザリオ・ドーソン、キャサリン・ハイグル、ジェフ・スタルツ、
   シェリル・ラッド、サラ・バーンズ、ホイットニー・カミングス、
   サイモン・カシアンアイズ、イザベラ・カイ・ライス

評価:★★




 まあ、読み取ろうと思えば、テーマは色々掲げられている。元妻のストーカー化。ドメスティック・ヴァイオレンスとそのトラウマ。不倫を発端にした離婚。親からの強烈なプレッシャー。血の繋がらない親子がいかにして「本物」になるか。けれどそんなのを真面目に観る観客は(作り手も)いないだろう。『アンフォゲッタブル』で誰もが期待するのは、元妻キャサリン・ハイグルと次期妻ロザリオ・ドーソンの対決だ。

 配役は悪くない。何と言っても、何時の頃からか、目の奥ががらんどうで、感情が全然見えてこなくなったハイグルを悪役に配するのだ。さぞかし恐ろしい女像が浮かび上がるだろう。ドーソンだって、今回は良い人の役だけれど、鋭い眼光から滲み出る妖気には女豹の気配が濃厚。ハイグルのバトル相手として問題なし。ところが、これが全然盛り上がらない。

 元夫を諦め切れない女を演じるハイグルのやり口が温いからだ。ハイグルはドーソンがかつて元恋人からDVを受けていたことを知り、彼をおびき出して、自らの手を汚すことなく、ドーソンを消そうとするのだ。せこいぜハイグル!対決は対決でも、我々が見たいのは、身体を張った女同士の死に物狂いのプロレス風味の喧嘩なのだ。その際、普段なら耳を塞ぎたくなるようなダーティな言葉が飛び出すとなお良い。エロが入るともっと良い。

 女たちを大々的に取り上げた映画にありがちなのだけど、男たちは完全に添え物だ。優しいだけかとんでもないバカか、二択にしなければならないという規則でもあるのだろうか。女たちのサポート役にもなりゃしない。おい、ドーソン、あんた本当に男運ないね。新しいのを探した方が良いよ。

 …と文句を並べているけれど、実はこれ、多分、作り手の確信犯だ。わざと穴を満載にして、「突っ込みを入れて笑いながら見て下さい」…とそういうことなのだ。けれどあぁ、こういうのは(笑いを狙わず)大真面目に取り組むから突っ込み甲斐があるのであって、予めそれを想定して作られたチープな世界にはさほどノレないものだ。

 ただ、クライマックスのハイグルだけは褒めて良い。遂に頭の線の切れたハイグルがドーソンに襲い掛かる。この際、手にしているのが、銃や刃物ではなく暖炉の火かき棒なのが完璧に様になっているのだ。シルクのガウンも嘘臭いプラチナブロンドも味方につけ、ハイグルが遂に身体を張る。そして、あるものを見て、戦意を喪失するのも…分かる気がする。ハイグルの演技からは、離婚から立ち直れない女の哀れや両親に素直に愛されなかった悲劇を全く感じることはないものの、この場面だけはパーフェクト。うむ、それで良い。





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