October 5-7 2018, Weekend

◆10月第1週公開映画BUZZ


アリー スター誕生 “A Star Is Born”
 配給:ワーナー・ブラザース
 監督:ブラッドリー・クーパー
 Budget:$30,000,000
 Weekend Box Office:$42,908,051(3686) Great!
 OSCAR PLANET Score:90.0 BIG WAVE!!!
 Oscar Potential:作品賞監督賞脚色賞
           主演男優賞:ブラッドリー・クーパー
           主演女優賞:レディー・ガガ
           助演男優賞:サム・エリオット
           撮影賞編集賞、美術賞、衣装デザイン賞、メイキャップ&ヘアスタイリング賞
           視覚効果賞、録音賞音響効果賞作曲賞主題歌賞

ヴェノム “Venom”
 配給:コロンビア
 監督:ルーベン・フライシャー
 Budget:$100,000,000
 Weekend Box Office:$80,255,756(4250) Great!
 OSCAR PLANET Score:35.3
 Oscar Potential:美術賞、衣装デザイン賞、メイキャップ&ヘアスタイリング賞
           視覚効果賞、録音賞、音響効果賞
 Razzie Potential:作品賞監督賞脚本賞
           主演男優賞:トム・ハーディ
           助演男優賞:リズ・アーメド
           助演女優賞:ミシェル・ウィリアムス

“The Hate U Give”
 配給:20世紀フォックス
 監督:ジョージ・ティルマン・ジュニア
 Budget:-
 Weekend Box Office:$512,035(36) Good!
 OSCAR PLANET Score:89.7 BIG WAVE!!!
 Oscar Potential:作品賞、監督賞、脚色賞
           主演女優賞:アマンドラ・ステンバーグ
           助演男優賞:KJ・アパ
           助演男優賞:ラッセル・ホーンズビー
           助演女優賞:レジーナ・ホール

プライベート・ライフ “Private Life”
 配給:Netflix
 監督:タマラ・ジェンキンス
 Budget:-
 Weekend Box Office:-
 OSCAR PLANET Score:88.5 BIG WAVE!!!
 Oscar Potential:作品賞、監督賞、脚本賞
           主演(助演)男優賞:ポール・ジャマッティ
           主演女優賞:キャスリン・ハーン

“Loving Pablo”
 配給:ユニヴァーサル
 監督:フェルナンド・レオン・デ・アラノア
 Budget:-
 Weekend Box Office:$16,564(15) zzz...
 OSCAR PLANET Score:40.0
 Oscar Potential:主演男優賞:ハヴィエル・バルデム
           主演女優賞:ペネロペ・クルス



※OSCAR PLANET Score…各有力媒体の批評を基にOSCAR PLANET独自の計算法により弾き出した評価バロメーター。作品賞、監督賞&脚本賞レース参戦を目指すのであれば、少なくとも70.0以上は欲しく、80.0以上なら堂々たる資格を具えていると考えて良い。ただし、演技賞や技術賞では作品評価が伸びなくても、候補入りする場合が少なくない。

※Oscar Potential…オスカーチャンスのある部門。太字は特にその可能性が高い。


【総括】
 これまでに何度も映画化されている「スター誕生」ストーリーがブラッドリー・クーパー監督・主演、レディー・ガガ主演で21世紀に蘇る。邦題は『アリースター誕生』。バーで働きながら歌手になることを夢見る臆病な女性が、世界的ロックシンガーの男に見出され、スターへの階段を駆け上がっていく。あまりに有名な物語、スター男優の初監督作、人気ポップスターの初主演作…こういったセールスポイントは、諸刃の剣、ラジー賞直行の危険を大きくする不安因子でもあったわけだが、結果はと言うと、ヴェネチアやトロントといった巨大映画祭を大熱狂に巻き込み、見事批評的大成功の太鼓判を勝ち取った。この賛辞は健闘の出来映えといった程度のものではなく、(リメイクでありながら)オスカーの主役になることも十分可能なレヴェルのそれであり、ここまでの出来を予測できた人はほとんどいなかったのではないか。お馴染みの物語が、いつの時代も胸を打つものであることを証明する脚本には21世紀の風が感じられ、男女のラヴストーリーとしての側面はこれ以上ないほどにエモーショナル。クーパーの手際良く知性の感じられる演出が、一向に流れに弛みを作ることがない。クーパーは役者としてもパワフルな魅力を発揮、キャリアベストの渾身の一打。ガガもこの役のために生まれてきたと言っても過言ではない圧倒的存在感とパフォーマンスで、作品を自分のものにしているとのこと。何だか怖くなってくるほどの評価だが、果たしてリメイク映画が本当にオスカーの主役になれるかどうか。主要部門では作品賞、監督賞、主演男女優賞候補が確実(シンガーに冷たいオスカーの性質がガガに襲い掛かることはさすがにないのでは?)。技術部門でも大旋風が予測されている。もちろん主題歌賞部門では最有力に躍り出た感。こうしたポジティヴなBUZZは既に大きく広がっているようで、週末成績は当初の予測を大幅に上回る4,290万ドルという数字が報告されている。メガヒットへの発展も確実ではないか。

 「スパイダーマン」に出てくる人気悪役ヴェノムを主人公にしたスピンオフが登場。その名もシンプルに『ヴェノム』。とある財団の人体実験を取材する内に地球外生命体に接触、身体に変調をきたしていくジャーナリストを描く。スパイダーマンワールドの悪役の中でも抜群の人気を誇るキャラクターの映像化ということで大変期待値の高かった作品だが、その出来映えは否定派優勢という残念な結果。ヴェノムの魅力を捉えきれない脚本と演出によりできあがった、やたら騒がしく混沌とした世界観。ストーリーもキャラクターも開発不足の部分が目立ち、スリルもユーモアも不足。映画界に確固たる地位を築き上げているスパイダーマンに全く太刀打ちできない悪役に終わっているとのこと。レイティングをPG-13に抑える配慮がマイナスに働いたとの指摘もちらほら。トム・ハーディの力演は空回りといったところだろうか。ラジー賞に警戒が必要かもしれない。何しろ、興行的には期待以上の好パフォーマンス。早々に続編製作が決定しても全く不思議ではない10月公開作のオープニングレコードを更新。ラジー賞が叩きやすい土壌を作ったと言える。

 ティーンに向けては『The Hate U Give』が公開された。アンジー・トーマスのYA小説の映画化。子どもの頃からの親友が警察に撃たれるのを目撃したアフリカ系少女が、極度のプレッシャーに苛まれる様を描く青春ストーリー。ティーン映画なら今年は春に『LOVE,サイモン 17歳の告白』が熱い歓迎を受けたが、どうやらそれに続く重要な一作と見なして良さそうな絶賛評に包まれている。ハードな題材と青春のきらめきが見事に交錯、思慮深く力強いテーマが強力なエモーションと共に立ち上がる傑作との声が方々から…。主演のアマンドラ・ステンバーグは奇しくも『LOVE,サイモン』のニック・ロビンソンと「エブリシング」(17年)で共演しているが、ロビンソン同様ブレイクアウト演技と言って良いほどに輝いているとのこと。彼女の両親を演じるラッセル・ホーンズビー、レジーナ・キングも的確(とりわけホーンズビーの優しいパフォーマンス)。ティーンに向けた内容を考えるとオスカーに絡むのは難しいと思われるが、脚色賞には僅かにチャンスがあるか(脚本を手掛けたオードリー・ウェルズの訃報が公開数日前に入ってきた)。興行的にも悪くない出足。

 『プライベート・ライフ』はNetflixが自信を持って送り出す小品。サンダンス映画祭で話題を呼び、満を持しての公開へ。子どもを授かりたいと願いながらことごとく不妊治療に失敗してきた一組の40代夫婦が直面する現実を描く。ポール・ジャマッティとキャスリン・ハーンというクセモノが夫婦に扮しているあたり、なかなか手強そうな内容を想像するが、なるほど批評家は中年の危機を新たな角度から眺めた物語と演出を大いに讃えている。まるでドキュメンタリーを見ているかのような現実感のあるセリフと展開で、主人公たちの切実な内面が痛いほどに伝わってくる。性格スターふたりの妙演もさすが。賞レースではインディペンデント・スピリット賞でチャンスがあるだろう。批評家賞で愛されれば、オスカー戦線に浮上することも考えられる。なお、話は妻の視点から見たものになっているため、ハーンが主演プッシュ、ジャマッティが助演プッシュになるとの憶測が出ている。
 
 『Loving Pablo』はコロンビアの麻薬王パブロ・エスコバルと彼の愛人であるジャーナリスト ヴィルヒニア・ヴァジェッホの関係を綴る実話物。プレミア上映されたのは昨年のヴェネチア国際映画祭で、一年以上を経てアメリカ公開となった。ここまで公開が遅れたのは出来映えの問題と見るのが妥当。エスコバルの知られざる一面に光を当てようとする試みに失敗、映画的高揚感に欠けた毒々しいだけの内容との指摘が目立っている。ハヴィエル・バルデムとペネロペ・クルスという実生活でもパートナーであるふたりもイマイチ冴えないとのこと。賞レースに絡むことはないだろう。なお、興行成績は大撃沈のオープニング。出来の悪いカップル映画は全く興行に結びつかないという典型と言える。





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