ウィンチェスターハウス アメリカで最も呪われた屋敷

ウィンチェスターハウス アメリカで最も呪われた屋敷 “Winchester”

監督:ピーター・スピエリッグ、マイケル・スピエリッグ

出演:ヘレン・ミレン、ジェイソン・クラーク、セーラ・スヌーク、
   エイモン・ファーレン、フィン・シクルーナ=オプレイ

評価:★




 かの有名なウィンチェスターライフルを開発したのは、その名もウィンチェスター・ファミリーだ。彼らはこれにより莫大な財を築くと同時に、家の者たちが不幸により若くして次々命を落としたという。そこで遺された未亡人は考える。一家は銃で殺された者たちの霊に呪われている。霊媒師によると、逃れるためには、毎日24時間、屋敷を増改築し続けなければならない。良く分からぬ理屈だけれど、仕方ない。何しろ実話ベースなのだ。マジかよ!

 …と書けば、屋敷そのものが話の主役になってもおかしくないはずだ。ところが、禍々しき邸宅は、単なる箱以外の用をなしていない。暴れるのはあくまで霊であり、屋敷は舞台に過ぎない。延々続く増改築により、迷路のように複雑で、からくり屋敷的構造になってしまったというヴィジュアルが、全て飾りなのだ。

 飾りと言えば、まさかのヘレン・ミレン先生登場もそうだ。先生が演じるのは屋敷の女主人。霊と通じるガイド的役割を果たしながら、悪霊に脅かされる。…のだけれどこれが、先生が頼もし過ぎて、全く怖くないのだ。そんじょそこいらの霊になんて、先生がやられるはずもなく、いかに窮地に陥っても危機感が刺激されない。いっそ、霊側に回ってくれないか。

 物語がジェイソン・クラークの視点で描かれるのも、何を考えているんだ。霊に襲われ恐怖に慄く、これが映えるのは美女と相場が決まっているのだ。それなのに、あぁ、ここで真ん中に立つのは、頭が薄くなりかけ、目鼻口が顔の中央に密集した、むさくるしいオッサンだ。オッサンを驚かして楽しいか。オッサンもさー、驚き方が温いよ。

 霊たちによる怖がらせ方は既存のホラー通り。大音量と突然の登場でびっくりさせる、ひな型の繰り返し。仕掛けられたあるトラップも…見え見えのそれじゃないか。配役がいかにもって感じだ。子どもから狙うのもありきたりな上に、意味不明。

 結果、『ウィンチェスターハウス アメリカで最も呪われた屋敷』はB級ホラーにもなれなかった。怖さよりもミレン先生の老いてますますの美しさしか後に残らないのだから。でもまあ、先生はいつだってカッコイイ。先生を20世紀初頭の大邸宅の女王として輝かせる工夫も忘れて、チープなどっきりにかかりきりになるなんて、本物のウィンチェスターハウスの霊たちも泣いていることだろう。





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