いま、輝くときに

いま、輝くときに “The Spectacular Now”

監督:ジェームズ・ポンソルト

出演:マイルズ・テラー、シャイリーン・ウッドリー、ブリー・ラーソン、
   メアリー・エリザベス・ウィンステッド、ジェニファー・ジェイソン・リー、
   カイル・チャンドラー、マサム・ホールデン

評価:★★★




 少年の名前はサッター。所謂チャラ男。胸ポケットにはいつもスキットル。つまり常にほろ酔い。少女の名前はエイミー。地味な存在。漫画が好きで、内向的。決してでしゃばらないけれど、要するに臆病。18歳の夏、大人への階段を踏み出そうというときにふたりは急接近する。そう、『いま、輝くときに』は青春映画だ。

 ただし、どこにでも転がっている、ありふれた物語には見えない。サッターとエイミーの人物像が緻密に描き込まれ、なかなか溌剌とした立体感を見せるからだ。サッターの言葉にはいつもハートが感じられない。それが心からのそれに変わっていく。エイミーは自分には「話すストーリー」がないと言う。それがセックスやプロムに積極的に飛び込んでいく。

 そう、この映画は恋に落ちると自分が変わること、自分を変えたくなることを大変ヴィヴィッドに描き出している。恋に落ちたら、それまでのように恥ずかしい自分ではいられない。自分を信じ、それが違う可能性を知ることに繋がる楽しさよ。すると人脈が増える。見えなかったものが見える。世界が広がっていく。新しい自分を誇りたくなる、そんな恋。

 マイルズ・テラーとシャイリーン・ウッドリーが青春の輝きを生き生きと捕まえる。自分が変わっていくこと、その微妙な戸惑いと喜びを瑞々しく体現する。それゆえただパーティに出かけることが、ただ道端を歩くことが、ただ身体を重ねることが、永遠に閉じ込めたくなるような尊いものに見える。テラーとウッドリーは役柄の美しさを青春の光に当てることに成功する。

 ふたりが互いに課すチャレンジが微笑ましい。どちらもママに立ち向かうというのだ。サッターは家から去った父親のことを母に問い質したい。エイミーは彼女を家に縛りつける母から解き離れたい。サッターがエイミーに母親に悪態をつくことを強要する場面の可笑しさ。ウッドリーが可愛らしい。

 もちろん恋には障害がつきもの。別れはサッターから切り出される。自分と一緒にいては、エイミーまでダメになってしまう。18歳の心がそんな思いを抱くだけで胸が痛むというものだけれど、けれど待て、本当にそれは正しいことなのか。…というのがふたりの青春の最後の問い掛けだ。このとき観客はふたりの未来を信じたい気分になるだろう。そう我々が、切なくも魅力的な青春を目撃していたことの何よりの証ではないか。





ブログパーツ

blogram投票ボタン

スポンサーサイト

テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

プロフィール

Author:Yoshi
Planet Board(掲示板)

旧FILM PLANET

OSCAR PLANET




since April 4, 2000

バナー
FILM PLANET バナー

人気ページ<月別>
検索フォーム
最新記事
カテゴリ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

月別アーカイブ
最新トラックバック
QRコード
QRコード
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

Friends
福☆こもろ