ピープル・ライク・アス

ピープル・ライク・アス “People Like Us”

監督:アレックス・カーツマン

出演:クリス・パイン、エリザベス・バンクス、オリヴィア・ワイルド、
   マイケル・ホール・ダダリオ、ミシェル・ファイファー、
   ジョン・ファヴロー、マーク・デュプラス、フィリップ・ベイカー・ホール

評価:★★★




 複雑な家庭事情。思いがけない遺産と遺言。仕事の失敗。借金。アルコール。秘密の交流。生意気な息子。これだけそりゃドラマが生まれるというものだ。それもメロドラマという言葉が相応しい『ピープル・ライク・アス』は、父親の死をきっかけに互いの存在を知る姉と弟の物語だ。父親よ、死ぬ前にややこしい問題は解決しておいてくれ。

 物語は先に事情を知った弟が素性を隠して姉に近づくところから始まる。面識も何もなかったのに急速に親しくなっていくふたり。姉の息子も弟にアッという間に懐く。もちろん弟の正体はばれるし、おそらく大方の人が予想する通りの結末に向かう。つまり驚きは、当事者である姉弟が受けるそれほどではない。アレックス・カーツマン監督もそれに気づいていたか、語りかけるのは、家族という形態に働く不可思議な力だ。

 事情を知らない姉と事情を知っている弟。ふたりが作り出す空気が何とも心地良いのだ。それまでの人生に何があったのかは知らない。聞いたところで、それは他人の「ストーリー」でしかないはずだ。それでも彼らが瞬く間に作り出す空気感は、確かに姉弟のそれでしかない。血云々を超えたところにある、家族の不思議。つまりエリザベス・バンクスとクリス・パインが本物の姉弟らしく見える。

 長く生きていると、他人とは思えない、まるで家族のように思える人に出会うことがある。恋愛感情を抜きにして、だ。バンクスもパインも主人公ふたりが瞬時に構築する身近な、どこか安心する匂いを大変デリケートに表現している。とりわけバンクスは子育てと人生に疲れたシングルマザーとして、なかなか現実感ある気配だ。

 ふたりの語りから父親の姿が見えてくる…という仕掛けは成功半分失敗半分といったところ。どちらも父親と上手な距離を作れなかったものの、確かに愛されていた。それをクライマックスに出てくるビデオ映像以外からも感じさせる工夫が必要だった。ただし、なるほどビデオに映るものが浮かび上がらせる説得力は悪くない。

 父親がいれば母親もいる。というわけで、パインの母親はミシェル・ファイファーだ。せっかく大物を配したのに、有効活用されているとは言い難い。神経質で身勝手な部分が目立ち(息子の帰郷時、何といきなり平手打ち)、終幕の優しい表情が嘘臭い。それにファイファーはもっと綺麗に撮ってあげれば良いのに。お馴染みの離れ目ばかりがやたら印象に残る。





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