フューチャーワールド

フューチャーワールド “Future World”

監督・出演:ジェームズ・フランコ

監督:ブルース・ティエリー・チャン

出演:スーキー・ウォーターハウス、ジェフリー・ウォルバーグ、
   マルガリータ・レヴィエヴァ、スヌープ・ドッグ、ルーシー・リュー、
   クリフ・“メソッド・マン”・スミス、ミラ・ジョヴォヴィッチ

評価:★




 第三次世界大戦後の荒れ果てた世界。岩ばかりの砂漠をバイカー集団が砂埃を上げながら連なる場面を見て思ったのだ。これは「マッドマックス 怒りのデス・ロード」(15年)へのオマージュなのだろうか。けれど、そんな疑問はすぐに吹っ飛ぶ。オマージュならば見せ方があまりにお粗末だ。背景を用意して、でも『フューチャーワールド』ならではの創意工夫はどこにある?

 バイクが大音量のロックと一緒に走っても、それらが互いに共鳴することはない。角の生えたマスクを被った怪人(監督も兼ねるジェームズ・フランコ)が出てきても、ニヤけるばかりで狂気もおかしみもない。一見派手な画が連発されても、そこに興奮が立ち上がらない。演出にリズムと呼べるものがなく、画に呼吸が感じられないため、学芸会に見えるのだ。偽りの高電圧。

 物の数分でダメダメな出来が伝わる。そしてそれが予感に終わらない。モノマネにもならない世界観の中に展開されるのは、既視感ある場面の数々。アンドロイドの自我の目覚めは「ブレードランナー(82年)?オアシスなるやたら木漏れ日が強調された安息の地はテレンス・マリック映画?命を賭けた一対一の戦いは「グラディエーター」(00年)?愛のために少年が危険な地へ戻るのは…もはやどの映画でも見られるお約束。

 気合いが入っているのは暴力描写だ。やたら直接的な描写が多く、それを嬉々として見せていることが分かる。そこに想像力が入り込む余地がなく、新たなるイメージも広がらないのは当然の結果だ。後に残るのは不快感のみ。音に対する感覚の鈍さも、ここで露呈される。

 女性蔑視と思える設定の数々も呆れる。一応話や演出は、女性が奴隷や性のはけ口として利用される世界への批判になっているのだけれど、これがポーズにしか見えないのだ。女アンドロイドを素っ裸で登場させたり、結局女たちが(アンドロイド以外)助けられる存在でしかなかったり…といったあたりが分かりやすい。自分たちは女たちの味方であり、女たちの躍進を支持している…ように見せかけているのが嫌だ。

 たくさんの登場人物が出てくる。アクションもふんだんだ。にも拘らず、人間にも画にも血が通わない。何を見せたいのか、売りとなるものすら定まらないとは、B級映画にあるまじき事態ではないか。空騒ぎするにしても、せめて肉体の躍動だけは見失ってはいけない。





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