オンリー・ザ・ブレイブ

オンリー・ザ・ブレイブ “Only the Brave”

監督:ジョセフ・コシンスキー

出演:ジョシュ・ブローリン、マイルズ・テラー、ジェフ・ブリッジス、
   ジェームズ・バッジ・デイル、テイラー・キッチュ、
   ジェニファー・コネリー、アンディ・マクドウェル、
   ジェフ・スタルツ、アレックス・ラッセル

評価:★★★




 なるほど消防隊を描くのなら、火災の画に迫力がなくては話にならない。『オンリー・ザ・ブレイブ』はまず、その点をクリアする。取り上げられるのは森林消防隊で、となると山火事が映し出されるわけだけれど、これが現場の熱が肌にまとわりつくように現実感たっぷり。とりわけ効果的なのが山を俯瞰で捉えたショットで、風の力を借りると、こんな超高速で火は広がっていくのだということが良く分かる。

 仕事ムービーの側面が強く、消防隊の訓練の詳細や消火法に目を見張るものが多い。特に迫りくる火を消すために彼らが水を使わないのに驚く。彼らは火をもって火を征す。敢えて無事な木々を燃やすことで、火の勢いを止めるだなんて、科学に裏打ちされた消火法なのだろうけれど、かなり度胸が要るやり口ではないか。

 男たちの仕事とプライヴェートの落差が激しいのが可笑しい。現場を離れれば下品で明け透けなジョークに塗れた男たちなのに、仕事に対しては大変真面目。この気配、丸ごと日本映画「海猿」(04年)と被る。新米が現場にやってくる。仲間と徐々に打ち解ける。最初は仕事でミスも犯す。怪我もする。いつもはバカ騒ぎをしながら、でもやるときはやる。この映画や「海猿」に限らず王道の設定とは言え、これが男たちをいちばん格好良く見せる方法なのかもしれない。

 ただ、メインどころはともかく、多くの隊員たちが髭面と制服と現場の混乱のせいで、見分けがつき難いのが寂しい。全員に見せ場を作れなどとは言わないけれど、もう少し外見上の特徴をつけて欲しい。テイラー・キッチュ クラスでも戸惑う場面がある。新米隊員役のマイルズ・テラーはエミネム風の風貌で登場。ボス役のジョシュ・ブローリンは最初から最後まで熊っぽい。どちらも見せ場が多く(家庭場面は深入りし過ぎ)、差別化されている。

 …といちゃもんをつけるのも愉快な、ハリウッドならではの雰囲気を楽しんでいると、結末にはギョッとするだろう。これが実話を基にした話で、真実の苦味を知らぬ者には、おそらくかなり衝撃的なのではないか。危険と隣り合わせの職業だから当然ある程度の覚悟で鑑賞に入るわけだけれど、それでも、あぁ…。

 作り手が消防隊員たちに100%の敬意を払っていることは隅々から伝わる。おそらく安易な創作も避けられているはずだ。それゆえ消防隊の辿る運命も事実そのままなのだろう。ただ、炎に包まれたクマを駆けさせる演出の余裕があるのなら、多少のウィンクがあっても良かった。事実を変えることが敬意に繋がることもあるはずで、そちらの大胆さを見せて欲しいと願ってしまうのだ。男たちが魅力的に撮られていた証拠だろうか。





ブログパーツ

blogram投票ボタン

スポンサーサイト

テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

プロフィール

Author:Yoshi
Planet Board(掲示板)

旧FILM PLANET

OSCAR PLANET




since April 4, 2000

バナー
FILM PLANET バナー

人気ページ<月別>
検索フォーム
最新記事
カテゴリ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

月別アーカイブ
最新トラックバック
QRコード
QRコード
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

Friends
福☆こもろ