ALONE アローン

ALONE アローン “Mine”

監督:ファビオ・グアリョーネ

出演:アーミー・ハマー、アナベル・ウォーリス、トム・カレン、
   クリント・ディアー、ジェフ・ベル、ジュリエット・オーブリー

評価:★★




 アーミー・ハマー演じるアメリカ人スナイパーは、見渡す限り砂と岩だらけの砂漠で地雷を踏んでしまう。仲間は脚を失って死亡。左脚を動かせば、己も同じ運命を辿るだろう。救助までは52時間もある。さあ、どうするか。『ALONE アローン』はこんなワンシチュエーションスリラー的設定を用意しながら、それに無視を決め込む。

 力のある監督なら、この奇怪な状況下にどんな危機が浮上し、そしてそれをどう切り抜けるか、あの手この手で策を巡らせるはずだ。ファビオ・グアリョーネも最初はそう意気込んでいたかもしれない。砂嵐や野獣が襲い来るエピソードなど、砂漠で身動きができない状況下では完璧な悪夢だ。皮膚を爛れさせる陽射しも殺人的と言える。

 ところがハマーは、別段ここで知恵を絞るわけではない。地雷と密着する左脚だけは絶対に動かさないことを意識し、後は強靭な体力と精神力で、強引に乗り切る。根性第一。ファイト一発。いや、そうじゃなくて、観たいのは、サヴァイヴァルの術なんだけど…。

 根性論を前面に出す作り手は、画が単調になる危険にもあっさり降参する。砂漠にひとり佇むハマーの画に賭ける勝負から逃げ出すのだ。それは幻想の多用から始まり、後悔の滲む記憶や愛の洪水に繋がっていく。死の危機に瀕したときに見る光景が意味するものは…って、いや、だから、観たいのは、サヴァイヴァルの術なんだってば…。

 こんなこと書くと薄情なようだけれど、これは戦争映画としても見るべきではない設定だ。地雷に絡んだ過去を持つ老人と少女の登場など、特に反戦の匂いが濃いものの、けれど主人公にとって己の生死以上に気になるものがあるはずもなく、そちらによそ見する度に、苛立ちを誘う。

 そんなわけで見所の少ない中、映画を観る気分を刺激してくれるのは、ハマーのバズカットだったりする。常々主張していることだけれど、本物のハンサムはボウズがが似合うのだ。そしてハマーは確かに似合う。頭の形が美しく、かつ髭面でも爽やかだ。しかもハマーの顔立ちには少し間の抜けたところがあり、周囲を緊張させる類のハンサムでないのが良い。そんなハマーの顔が爛れていく様は、他のどんなエピソードや演出よりも映画的なのだった。





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