ワンダー 君は太陽

ワンダー 君は太陽 “Wonder”

監督:スティーヴン・チョボスキー

出演:ジェイコブ・トレンブレイ、オーウェン・ウィルソン、ジュリア・ロバーツ、
   マンディ・パティンキン、ダヴィード・ディグス、
   イザベラ・ヴィドヴィッチ、ダニエル・ローズ・ラッセル、
   ナジ・ジーター、ノア・ジュープ、ミリー・デイヴィス、
   ブライス・ガイザー、エル・マッキノン

評価:★★★




 10歳になる主人公のオギー少年は遺伝子の先天性疾患により変形した顔で生まれてきたという。これまで27回も手術を受けてきたものの、それでも世間一般が言うところの「普通」の顔ではない。その彼が自宅学習から学校での学習に切り替えることになり、学友たちの好奇の目に晒される。心無い言葉を投げ掛けられる日々。オギーはそれをどう乗り越えるだろうか。

 ざっと話を書いたこれだけで察することができるだろう。『ワンダー 君は太陽』には涙腺を刺激する要素が至る所に散りばめられているに違いない。そして実際、そうなのだ。両親に見送られて初登校する場面から、ちょっとでも油断すると、感傷と感動をごちゃ混ぜにしたような、あざといと言い切ってしまっても良いエピソードが、はい、こんにちは。泣かせが目的だなんて、あぁ、嫌だ。

 だから、監督のスティーヴン・チョボスキーはいかにして泣かせを泣かせと見せないか、泣かせよりも遥かに重要なハートを伝えるにはどうしたら良いのか、頭を悩ませたはずだ。そうして辿り着いた結論は、オギーだけの視点に拘らず、周辺人物の視点をも組み込むことだった。この作戦が見事的中したことは、大いに讃えられなければならない。

 オギーの視点に絞ったならば、少年と彼を見守る人々の障害を乗り越える愛情の物語止まりだったはずだ。ところがいくつもの視線が重ねられていくことで、その人物の本質が見えてくるばかりか、学校や家族という枠組みの中でどう生きるのか、その難しさまで浮上する。基本的に良い人が多い。けれど、良い人の中にあるハートは些細な擦れ違いを続けることで、簡単に機能に動揺が走るのだ。時は足早に流れ、心の距離は遠ざかったり近づいたり。もしかしたら離れたままでも終わるかもしれない。物語はそれでも世界は素晴らしいと納得させる。

 思わずどきりとするのは、オギーを苛めていた金持ち少年の両親が登場する件だ。校長から息子の悪さを指摘された母親はしらっと言う。全ての人に尽くすことは不可能よ。もちろん苛めは言語道断だけれど、確かにそれこそが、擦れ違いの最大要因でもあり、人間とは誰も彼も何と面倒臭いのだろうと思わされる。

 涙による水浸しを狙うというあからさまさから逃れられていない割りに気持ち良く見られるものの(オギーを太陽に見立てながら、それでも彼中心に世界を回さないのが大きい)、あぁ、でも、修了式場面はいちゃもんをつけたい。校長からオギーがとある賞を授与されるのだ。インスパイアの源になったことが認められたのだという。ここで別の誰か(例えばオギーの親友となるジャック・ウィル)がステージに上がった方が、絶対効果的だと思うのだけどなぁ。ハズし技が全くないのは、優等生的息苦しさを感じさせる。





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