August 17-19 2018, Weekend

◆8月第3週公開映画BUZZ


“The Wife”
 配給:ソニー・ピクチャーズ・クラシックス
 監督:ビョルン・ランガ
 Budget:-
 Weekend Box Office:$108,284(4) Great!
 OSCAR PLANET Score:84.6 BIG WAVE!!!
 Oscar Potential:作品賞監督賞脚色賞
           主演女優賞:グレン・クローズ
           助演男優賞:マックス・アイアンズ
           助演男優賞:ジョナサン・プライス
           助演男優賞:クリスチャン・スレーター
           編集賞、作曲賞

“Mile 22”
 配給:STXフィルムズ
 監督:ピーター・バーグ
 Budget:$35,000,000
 Weekend Box Office:$13,710,825(3520)
 OSCAR PLANET Score:34.0 BIG BOMB!!!
 Razzie Potential:主演男優賞:マーク・ウォルバーグ
           助演男優賞:ジョン・マルコヴィッチ

“Alpha”
 配給:コロンビア
 監督:アルバート・ヒューズ
 Budget:$80,000,000
 Weekend Box Office:$10,352,512(2719)
 OSCAR PLANET Score:74.8
 Oscar Potential:主演男優賞:コディ・スミット=マクフィー
           視覚効果賞、録音賞、音響効果賞

クレイジー・リッチ! “Crazy Rich Asians”
 配給:ワーナー・ブラザース
 監督:ジョン・M・チュウ
 Budget:$30,000,000
 Weekend Box Office:$26,510,140(3384) Great!
 OSCAR PLANET Score:85.1 BIG WAVE!!!
 Oscar Potential:作品賞監督賞脚色賞
           主演男優賞:ヘンリー・ゴールディング
           主演女優賞:コンスタンス・ウー
           助演女優賞:ミシェル・ヨー
           編集賞、作曲賞


※OSCAR PLANET Score…各有力媒体の批評を基にOSCAR PLANET独自の計算法により弾き出した評価バロメーター。作品賞、監督賞&脚本賞レース参戦を目指すのであれば、少なくとも70.0以上は欲しく、80.0以上なら堂々たる資格を具えていると考えて良い。ただし、演技賞や技術賞では作品評価が伸びなくても、候補入りする場合が少なくない。

※Oscar Potential…オスカーチャンスのある部門。太字は特にその可能性が高い。


【総括】
 昨年トロント国際映画祭でプレミア上映されるや否や、グレン・クローズが遂に主演女優賞を獲得するのではないかとBUZZが沸騰した作品がある。『The Wife』がそれなのだが、そのまま年内公開とはならず、今年の賞レースに参戦することになった。果たして新たにBUZZを創り上げることができるのか。やや心配の声も上がっていたが、まずは批評家筋からは歓迎ムードで迎えられている。ノーベル文学賞受賞が決まった作家の夫と共に、賞を受けるため向かった先のストックホルムを舞台に、妻の心の揺れ動きを描き出す。メグ・ウォリッツァーの小説の映画化になるのだが、なるほどクローズの説得力ある演技が、地味な物語に輝きを与えているとの賛辞が方々から聞こえてくる。クローズと言うと、どうしても怖い女のイメージがつきまとうものの、それを封印、ひとりの女の、妻の心象風景を極めて繊細に描き出しているとのこと。クローズに引っ張られるように他要素も見応えがある。つまりクローズを中心にアウォードBUZZが再点火した格好なのだが、問題は現在8月で、賞レースシーズンまではまだ間があること。キャンペーンが上手く機能する必要があるし、批評家賞でも支持を取りつけたい。そうすれば、本当にクローズの勝利が見えてくるかもしれない。興行的にも限定公開で好スタート。慎重な拡大公開が求められる。

 昨今コンビ作が続いているピーター・バーグ監督とマーク・ウォルバーグ。4本目となる『Mile 22』が公開へ。このコンビは手掛けるジャンルも作品毎に異なるが特徴のひとつだが、今回はアクション・スリラー。盗まれた放射性物質の行方を知る男を警護する任務に就く、米特殊部隊エージェントを描く。一貫して高評価を獲得してきたコンビにしては、批評は伸びていない。やたら銃弾が飛び交い、それこそがサスペンスだと勘違いした演出が長々続く内容。キャラクターの描き込みもプロットの練り込みも不足し、いかにも物足りない出来映えだとか。元々賞レース向きの内容ではなかったが、これで完全撤退と見て良いだろう。興行的にも平凡な結果に終わっている。続編製作のニュースも飛び込んできていたが、相当な軌道修正がない限り、実現は難しいのではないか。

 同じアクション映画でも『Alpha』はサヴァイヴァル物。氷河期のヨーロッパ、狩りの途中で仲間と逸れた青年が一匹のオオカミと出会い…というストーリー。批評は概ね良好。話が捻られているわけではないものの、良質の演技と美しい撮影により組み立てられたアクションは爽快で、オオカミの魅力もたっぷり伝わるという。ただ、賞レースを目指したプロジェクトではないはずで、技術部門も含め、今後目に留められることはないと思われる。ところで、この映画はPETAが鑑賞のボイコットを呼びかけている。プロダクション中、5頭のバイソンが殺され皮を剥がれたというのがその理由。そして、それが響いたか、興行的にも極めて厳しい出足。製作費は8,000万ドルもかけられていると言われているが、大赤字の結果になることは確実。

 さて、今週の最も重要な作品は、実は『クレイジー・リッチ!』かもしれない。メジャースタジオ(ワーナー・ブラザース)がアジア人俳優を起用しアジアを舞台にアジア人の物語を製作したのがポイント。多様性が煩いくらいに叫ばれる昨今、この作品の成否が今後の各スタジオの作品製作に大きな影響を与えると言われている。恋人の家族に会うため向かったシンガポールで、愛する人が大財閥の御曹司であることを知る女の幸せ探しを描くロマンティック・コメディ。何の変哲もない内容に思えるが、批評家は出来映えをこぞって支持。ストーリー自体は目新しいところがなくとも、昔ながらのロマコメへの敬意の感じられる演出と力のあるキャスト、そして眩いばかりに輝くヴィジュアルが愉快にブレンドされ、大変魅力的な仕上がりになっているとの声が途切れない。おそらくオスカーに絡むには娯楽に寄り過ぎた作りなのだが、まずはゴールデン・グローブ賞での健闘は期待できるのではないか。批評家賞での伸びがあれば、まさかのオスカー参戦もあるかもしれない。そして、批評に続く第二の関門となる興行成績はと言うと、製作費3,000万ドルを5日間で回収する絶好調の出足。ロマコメという集客に結びつき難いジャンルで結果を残したのも意義が大きく、今後いよいよ多様性を意識した作品製作がハリウッドで活発になる、その下地を敷いたと見て良いのではないか。もちろん優れた内容を伴わなければ、映画ファンからはあっさりそっぽを向かれることになるだろうが…。





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