犬ヶ島

犬ヶ島 “Isle of Dogs”

監督:ウェス・アンダーソン

声の出演:エドワード・ノートン、ビル・マーレイ、野村訓市、
   ブライアン・クランストン、コーユー・ランキン、ジェフ・ゴールドブラム、
   ボブ・バラバン、スカーレット・ヨハンソン、グレタ・ガーウィグ、
   フランシス・マクドーマンド、渡辺謙、ハーヴェイ・カイテル、
   フィッシャー・スティーヴンス、伊藤晃、リーヴ・シュライバー、
   ティルダ・スウィントン、F・マーレイ・エイブラハム、オノ・ヨーコ、
   高山明、フランク・ウッド、村上虹郎、野田洋次郎、夏木マリ

評価:★★★★




 ウェス・アンダーソンが日本を舞台にしたストップモーション・アニメーションを撮る。そんな世にも不思議なアイデアが実現したのが『犬ヶ島』だ。近未来の日本、メガ﨑市。犬インフルエンザの蔓延を理由に島流しにされた犬たちと、彼らを助け出す少年の物語。出来上がったそれが、どこを切り取ってもアンダーソン印なのが嬉しい。

 アンダーソンの日本好きは良く知られているところだけれど、なるほど日本愛がこれでもかと炸裂する。屋台に相撲に歌舞伎。料亭にわさび寿司。漢字やカタカナ、平仮名が溢れ、バックには太鼓ベースの音楽が流れ続ける。決して正確な日本ではなくとも、バカにしているだとか、無理解に支配されているだとか、嫌な気配は一切なし。むしろ多少のズレが愉快な気分を誘う。

 映画人で日本と言ったら、やっぱり避けては通れないのが黒澤明ということか。犬ヶ島に降り立った少年と彼と冒険を共にする犬たちの背後には「七人の侍」(54年)の影響、オマージュがたっぷり。もちろん模倣では終わらず、己の物語に噛み砕いたそれだ。

 犬たちの魅力は、おそらく静止画(写真)では伝わらないだろう。アニメーション向きに可愛らしくデフォルメされたものではなく、けれど表情はこの上なく豊かで、カクカクしたストップモーション・アニメーション特有の動きが美しくフィット。一頭毎にちゃんと個性も与えられている。長毛種ばかりで、柴犬や秋田犬がいないのがちょっと寂しいものの、そこは大きく目を瞑ろう。

 犬ヶ島でもメガ﨑市でもアンダーソン特有の美が炸裂する。お馴染みの左右対称の画が次々登場。奥行き豊かな構図もたっぷり。俯瞰ショットや影絵、横移動撮影といった技の連発には、わけもなく「アンダーソン!」と叫びたい衝動に駆られる。

 さて、アンダーソン映画と言ったら、いつも「家族」がテーマになる。そして実は、日本が舞台のこの異色作でも変わらないのだ。少年と護衛犬、孤児の少年と彼を養子に迎える悪い義父、そしてある二頭の犬の関係等に、徐々に家族という形態に深い思いを抱いているだろうアンダーソンのメッセージが浮かび上がる。あ、もちろん人間と犬の関係も無視されない。アンダーソンはどこまでもアンダーソンなのだ。





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