ピーターラビット

ピーターラビット “Peter Rabbit”

監督:ウィル・グラック

出演:ドーナル・グリーソン、ローズ・バーン、サム・ニール
声の出演:ジェームズ・コーデン、マーゴット・ロビー、
   エリザベス・デビッキ、デイジー・リドリー、コリン・ムーディ、シーア

評価:★




 エンドロールでアニメーションが流れる。ビアトリクス・ポターの原作に忠実な、水彩の良さを活かしたアニメーションだ。あぁ、どうして素直にアニメーションにしなかったのか。『ピーターラビット』はCGで作り出されたウサギたちが主役だ。その他の部分は実写。一見、イメージ通りの世界観、あぁ、でもこれは結局、似て非なるもの、だ。

 ピーターたちウサギの天敵となるのは愛する心優しきビアの隣人トーマス・マクレガーだ。映画はピーターたちとマクレガーさんの命を賭けた戦いにメインを置いた「ホーム・アローン」(90年)風のドタバタ劇になってしまった。ピーターたちに鋭い農工具が振り下ろされ、マクレガーさんが感電して吹っ飛んでいく。マクレガーさんはブルーベリーアレルギーで気絶し、ピーターたちには爆薬が放り投げられる。

 作り手は本当にこれを面白いと思っているのだ。別にポターの世界観を崇める必要はないけれど、少なくともハリウッド色濃厚な身体を張った追いかけっこが不釣り合いであることは確かだ。ピーターたちは「害獣」と形容されるけれど、いやホント、そう言われても仕方がない。外見の愛らしさを盾にやりたい放題のウサギが本当に魅力的なのか。

 もちろんこのドタバタは、イギリス湖水地方の背景独特の、溶けてしまいそうに薄いブルーやグリーンにそぐわない。目に鮮やかな色彩が広がっても、その上で踊る物語は水入れをぶちまけたような大雑把なそれだから、当然と言えば当然。ビアやマクレガーさんの家の内装なんて、本来じっくり眺めたいところなのに、それすら許されないのだから。

 ほとんど八つ当たり的ないちゃもんになるけれど、ピーターの声をジェームズ・コーデンが充てるというのからして、ダメなのだ。何故もっと若々しい声にしないのか。声というものは意外なほど年齢が出るもので、オッサンのそれはオッサンでしかない。ピーターの声には青年の躍動感が欲しいところだ。

 予想通り、終幕は反省したピーターとマクレガーさんがビアの信頼を取り戻すという流れになる。そこで投入されるのが、新たなるキャラクター。彼らを伸してもうひと笑いを創り出すのが、決定的にイージーだ。その流れもさることながら、やり口が序盤の再生産でしかないのに呆れる。ポターなら、どう見るだろう。ふとそんな疑問も過るものの、ポターが実写になった世界を見ることないという現実にホッとする。





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