遠距離恋愛 彼女の決断

遠距離恋愛 彼女の決断 “Going the Distance”

監督:ナネット・バースタイン

出演:ドリュー・バリモア、ジャスティン・ロング、チャーリー・デイ、
   ジェイソン・サダイキス、クリスティーナ・アップルゲイト、
   ジム・ガフィガン、ロン・リヴィングストン、レイトン・ミースター

評価:★★




 映画には短くない歴史があって、映画になるような恋愛のパターンは出尽くしてしまった感がある。インターネットの普及によって生まれた恋愛形式がアッという間に当たり前になってしまったように、時代を映した恋愛もすぐさま普遍的なそれになる。『遠距離恋愛 彼女の決断』はタイトル通り、遠距離恋愛を取り上げたもので、それこそこれまで何度でも語られてきた恋愛の形と言える。つまりフツーの題材。

 題材がフツーならば、魅せ方を工夫するものだけれど、この映画はどこまでもフツーだった。出てくる男女がフツーだし、出会いもフツー。恋が生まれる過程もフツーならば、遠距離に悩む姿もフツー。遠距離恋愛特有の問題もフツー。撮影も編集も衣装も音楽もフツー。ほとんどフツーの嵐状態。ただ、フツーを丁寧に積み重ねていくことで、フツーよりちょっとだけ上の面白さを見つけている。男の気持ちも女の気持ちもしっかり分かる。それゆえに隣の友達的な面白さが浮かび上がっている。ありふれた、でも誰でも感情移入できる恋愛心理。いや、別にすごく面白いわけでもないんだけど。…って褒めているんだか貶してるんだか。

 …というわけで全てがそこそこのレヴェルでまとめられているのだけれど、終始ちょっと落ち着かない気分になるのも事実。それは多分、フツーを装飾する部分に宙ぶらりんの印象があったからだ。男側には悪友ふたり、女側には姉がいて、その恋を見守りながら笑いを振り撒くのだけれど、悪友たちが下ネタを連発し、姉が潔癖症から来る笑いを連打する。主人公男女はそれに包まれているばかりで、彼ら自身が笑いの真ん中に入っていくことがほとんどないのだ。中盤にあるサンフランシスコで再会したふたりがキッチンでセックスで雪崩れ込む際のような身体を張った笑いを彼方此方に散りばめてくれないと、恋愛ストーリーと笑いが分離したような気持ちになってしまう。それぞれのキャラクターの役割がはっきり分かれているので、余計にそう思うのだろう。男がレコード会社勤務で女が記者志望という設定も、遠距離恋愛の理由以上の絡ませ方をしてくれないと、中途半端というもの。

 ドリュー・バリモアを起用して最近流行りの下ネタコメディのセンを狙ったフシもあるのだけれど、これも不発気味だ。バリモアにはキャメロン・ディアスやキャサリン・ハイグルのような大胆さがなくて、ちょっと残念。ぶっ飛んだ下ネタに走っても下品には映らないタイプなのに。最初の方は女子プロレスラー風だったのが、徐々に愛らしくなっていったのにはホッとしたけれど。

 ただその分、ジャスティン・ロングは奮闘。バリモアの分も脱いで意外にオタク的でない身体を披露している。ちょっと前まではロングの良さがちっとも分からなかったのだけど、最近は悪くないと思えるようになった。誠実さに嘘臭さがなくて、ひょっとすると女が一緒にいていちばん安心するタイプなのかもしれない。ちょいと安めな風貌も良いところなのだろう。ある展開があってバリモアに見られないように涙を流す場面には不覚にもグッと来てしまった。

 それにしてもふたりの恋の落としどころは、本当にそれで良いのだろうか。どこまでもフツーを貫き通すのが良いところなのだろうか。映画にする必要があったのかと思うほどにフツー。せめて最後ぐらい大逆転の新しい発想で爽快感を引き出して欲しかった。





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