サバービコン 仮面を被った街

サバービコン 仮面を被った街 “Suburbicon”

監督:ジョージ・クルーニー

出演:マット・デイモン、ジュリアン・ムーア、ノア・ジュープ、
   オスカー・アイザック、グレン・フレシュラー、アレックス・ハッセル、
   ゲイリー・バサラバ、ジャック・コンレイ、カリマー・ウェストブルック、
   トニー・エスピノサ、リース・バーク

評価:★★




 もちろん事情は異なるものの、思い出すのは「ステップフォード・ワイフ」(04年)とか「トゥルーマン・ショー」(98年)あたり。最近だと「ダウンサイズ」(17年)も連想する。美しく朗らかで完璧な50年代サバービア。けれど、その奥をちょっと覗いてみれば、その薄っぺらな正体が瞬く間に顔を出す。『サバービコン 仮面を被った街』は副題そのまんまの映画だ。

 手掛けるのはジョージ・クルーニー。大分監督作を重ねているものの、今回はその皮肉や偽善の利かせ方が、そのまま表面通りなのが物足りない。完璧さを笑い飛ばすための「タメ」はほとんどなく、50年代郊外の街を寸分の狂いもなく再現したところをもっと眺めたいのに、ほとんど数分の内に街が白人のための理想郷でしかないことが判明する。

 完璧過ぎて嘘臭い。これは前述の「ステップフォード・ワイフ」「トゥルーマン・ショー」ではポイントになっていた部分だけれど、登場人物の作り込みからして、「万事程々」が目指されたような中途半端さで、それゆえ後に起こる殺人ミステリーが映えない。もっと言うと、やけに地味なのだ。殺されるのはジュリアン・ムーアだというのに!

 脚本にはクルーニーと親交の深いコーエン兄弟が噛んでいる。彼らにしては毒の効き具合が悪いのだけれど、それでも終幕、いよいよ馬脚を現した者たちが周辺人物を巻き込みながら坂を転げるように堕ちていくあたりには妙味あり。ここでもう一捻りして子どもを不敵に動かしたなら…と考えるのは欲張りが過ぎるか。

 ある黒人一家が街に越してきたことを発端に始まる集団ヒステリー。これを殺人ミステリーと並行して描くだけではなく、本筋にそのものに絡めても面白かったかもしれない。ヒステリーを描く意味については分かりやすいほどに伝わるものの、何と言うか、終わってみると背景としてか機能していないように見えるのだ。

 平凡な主人公を演じるマット・デイモンの作り込みも不満。体重を増やして「おとっつぁん」になったものの、内に秘める狂気はメガネ頼み。脂肪を蓄えた分、久々にジミー大西に見えるくらい。佐藤二朗が入るときもある。ムーアは相変わらず50年代ファッションが似合うものの、やはり狂気不足に感じられた。クルーニーの演出がおとなし過ぎるのだろうか。





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