ホース・ソルジャー

ホース・ソルジャー “12 Strong”

監督:ニコライ・フルシー

出演:クリス・ヘムズワース、マイケル・シャノン、
   マイケル・ペーニャ、ナヴィド・ネガーバン、トレヴァンテ・ローズ、
   ジェフ・スタルツ、サッド・ラッキンビル、ロブ・リグル、
   ウィリアム・フィシュナー、エルサ・パタキ

評価:★★




 確かに21世紀に入ってからの戦争において、馬が戦場を走る画は面白い。9.11直後のアフガニスタン。ドローンこそまだ前面に出ていないものの、ハイテクと密着した戦闘が進む中、馬と兵士が岩だらけの道なき道の風を切る。しかも、先頭を走る馬に乗るのは、精悍なクリス・ヘムズワースだ。

 『ホース・ソルジャー』はしかし結局、この画以上の面白さを浮上させることに失敗する。装飾過多が全て裏目に出ているからだ。プロデュースにジェリー・ブラッカイマーの名前があるからというわけではないけれど、アクションが爆発と銃弾の量頼みの、現実感からうっすら切り離されたものに留まる。スコアが高らかに鳴り響く度に、かえって冷静な気分になる。

 たった12人のアメリカ兵士が大量のタリバンに囲まれるという状況なのに、全くそんな風に見えないのは、カメラが熱を入れて撮る対象を間違えているからか。同盟関係の反タリバン勢力との結びつきを突くのは良いけれど、そちらに寄り掛かり過ぎたか、物語が戦争美談の方向に向かうのは考えものだ。

 忠誠心を湛えた兵士たち。縮まっていく同盟勢力と距離。とりわけ戦場に駆り出される少年との絆。ベタな言葉はなくても強固な仲間との繋がり。…ここにアメリカのリーダー、ヘムズワースの成長話まで加わる。彼は仲間からの信頼が厚くても、実戦経験はないのだ。誰も死なせはしない。生きて帰る。声高に張り上げる。

 過度な装飾がなされる割に、娯楽の色は薄い。特に惜しいのは12人の兵士たちの立ち位置だ。彼らは役割毎に分かれて戦場に向き合う。その際、無線で連絡を取り合うばかりで、連携プレイというものがほとんど見られない。そんなところだけリアリティを出してどうするのか。

 まあ、嫌な予感は最初からあった。兵士たちをいきなり戦場に放り込む潔さを見せず、近代アフガンの歴史の紹介から始まり、兵士たちの家族の顔まで念入りに描くことを選ぶからだ。本筋に入るまでがやたら長い。映画の運動神経が、大いに鈍いのだ。





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