バースデー 狂騒曲

バースデー狂騒曲 “A Little Something for Your Birthday”

監督:スーザン・ウォルター

出演:シャロン・ストーン、トニー・ゴールドウィン、
   ファムケ・ヤンセン、ライザ・ラピラ、ケイトリン・フィッツジェラルド、
   ジェイソン・ギブソン、エレン・バースティン

評価:★★




 シャロン・ストーンも気がつけば2018年で還暦なのだという。最近のストーンは90年代とは明らかに違うイメージを意識している。人間らしさを前面に押し出すのだ。『バースデー狂騒曲』はロマンティック・コメディ。肩の力が抜けて、さほどスターの座に固執していないように見える。あのストーンが…と感慨深い気分になるというものだ。

 とは言え、ストーンはストーンだ。セクシー女優としてハリウッドの頂点に立ったプライドをそこかしこに滲ませる。ジャラジャラしたアクセサリー。革ジャンにジーンズ。ショートパンツ。テンガロンハット。巨大な目玉がプリントされたTシャツ。バンダナ。ビキニ。とりわけ胸元の切れ込みの角度に、若い女に負けないわよ的迫力がある。

 まあ、確かにストーンと言えど老いには逆らえない。とりわけ首回りと目回りは年齢を感じさせるし、声の質が明らかに若くはない。でも、それを気にしないストーン。還暦目前にして40代半ばの役を手掛けるという図々しさも含めて、そう来なくっちゃという気分にさせる。そして個人的に、こういう勝気さは嫌いではない。そんなストーンの強気が年齢を克服したのが、49歳の誕生日、真っ赤のドレスを着るエピソードだ。素晴らしく美しく撮られている。ストーンの高笑いが聞こえる。これが私よ!

 ストーンのキャリアを考えると、心から悔やまれるのは、「氷の微笑」(92年)での大ブレイク後、早々とセクシー路線を封印したことだ。「硝子の塔」(93年)ですら肌を出し惜しみしたストーンは、これからは演技で勝負とばかりに、大凡不釣り合いな人間ドラマへ連続出演。問題はそういう固い内容にストーンが見事にハマらない不器用な女優だったことで、女盛りの時代をストーンは迷走し続けたのだった。成功したのは「クイック&デッド」(95年)「カジノ」(95年)ぐらいだろうか。いくらなんてもブレイクから14年も経って「氷の微笑」の続編(06年)にOKサインを出すだなんて、頓珍漢も良いところだ。

 閑話休題。『バースデー狂騒曲』は終わってみれば、運命の糸で結ばれていた男女の数年間を、女の誕生日に定点観測したロマコメだ。それならばトニー・ゴールドウィン演じる男の事情にも触れなければならない。…にも拘らず、ストーンばかりがプッシュされたエピソードばかりなのに苦笑い。数年間、ストーンの前にはロマンス対象としての男がゴールドウィンしか現れないという呆れた展開で(少なくとも他の男の影は一切ない)、どうやらその間、ストーンは仕事に精を出していたらしい。お仕事映画としての側面を中途半端に済ますくらいなら、他に見せるべきエピソードがあったのではないか。

 ストーンのための映画になっている割りに、けれど、印象的なのはゴールドウィンのバカエピソードだったりする。海パン一丁で大勢が見守る中、超のつく音痴な歌声を響かせる件、何という破壊力。ストーンよ、笑っている場合ではない。音痴エピソードで笑いを取らなければならなかったあなたの方だ。ストーンのプライドがそうさせなかったと見た。





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