レディ・プレイヤー1

レディ・プレイヤー1 “Ready Player One”

監督:スティーヴン・スピルバーグ

出演:タイ・シェリダン、オリヴィア・クック、ベン・メンデルソーン、
   T・J・ミラー、サイモン・ペッグ、ハナ・ジョン=カーメン、
   森崎ウィン、マーク・ライランス

評価:★




 スティーヴン・スピルバーグが映画史において極めて重要な存在であることは誰の目から見ても明らかだ。ただこの頃、彼の作品を観ながら思うことがあるのだ。その演出力に感嘆しながら、けれどそれが導く世界観に心地良くハマれない。いや、いつもではない。題材によってそう感じるのだ。『レディ・プレイヤー1』はその典型だ。相変わらずの巧みな演出に感心しながら、けれど、ちっとも入り込めない。

 舞台は2045年のオハイオ、コロンビア。集合住宅に住む青年が部屋から出てくるところから始まる。色らしい色が見当たらない街を歩く青年の姿を追い、とある場所で仮想現実の世界に入り込んでいく、僅か数分で作品のトーンを説明してしまうあたり、全く持って力のない監督には無理な技だ。問題は…そう、仮想現実の世界だ。これがまるで面白くない。

 人々は仮想現実の世界でだけ満たされた生活を送る。そこで自分好みのアバターに変身、勝手気ままに一日を過ごす。人類全員引きこもり状態の異常事態で、当然仮想現実の世界での冒険が見せ場になる。この際、スピルバーグが仮想現実をどう捉えているかはさして重要ではない。肯定も否定もしない「ほどほどにね」のポジションに立ったスピルバーグがしかし、仮想現実のアクションに重きを置いた画作りをしていることは明白だ。

 せめてアバター制度がなければ良かった。仮想現実の世界は皆がアニメーションで表現され、そこでロールプレイングゲーム感覚で動くのだ。このアバター・アニメーションが実に気持ち悪い。目が少女漫画のように大きいのは当たり前。仮名を呼び合って、そこから生の実感を得ようとする様が、ほとんど滑稽を極める。わざと設計されたぎこちないアバターアクションの数々の周囲では、ポップカルチャーの目配せがたっぷり。キングコングが暴れ、エイリアンが顔を出し、メカゴジラが激怒し、そこにガンダムが現れる。数々の映画ネタには笑ったことを白状しつつ、それでもだから何なのという言葉しか出てこない。

 色彩が爆発したヴィジュアルが物を言う率80%の映画だから、この画に全く惹かれないと、それはもう映画の出口で弾かれたも同然。仮想現実の悪に立ち向かう登場人物たちがはみ出し者の若い命で揃えられるという、いかにもスピルバーグ的な匂いになっていて、その物語が導く人と人の繋がりにまつわるテーマ同様、嬉しい気分になったとしても、それだけで乗り越えられるほど低い壁ではない。

 そんなわけでアバター以外の画面になると、途端にホッとする。特にベン・メンデルソーンが可笑しい。ただ、日本人としては、途中出場の森崎ウィンに目が行く。森崎を観るのは、中村蒼と一緒に素っ裸になっていたことぐらいしか覚えてないTVシリーズ「学校じゃ教えられない!」(08年)以来。やんちゃな個性が役柄に合っている。タイ・シェリダン、オリヴィア・クックと共に、なるほどスピルバーグ映画的な気配がある。





ブログパーツ

blogram投票ボタン

スポンサーサイト



テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

プロフィール

Author:Yoshi
Planet Board(掲示板)

旧FILM PLANET

OSCAR PLANET




since April 4, 2000

バナー
FILM PLANET バナー

人気ページ<月別>
検索フォーム
最新記事
カテゴリ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

月別アーカイブ
最新トラックバック
QRコード
QRコード
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

Friends
福☆こもろ