トゥーム・レイダー ファースト・ミッション

トゥーム・レイダー ファースト・ミッション “Tomb Raider”

監督:ローアル・ユートハウグ

出演:アリシア・ヴィキャンデル、ドミニク・ウエスト、ウォルトン・ゴギンズ、
   ダニエル・ウー、クリスティン・スコット=トーマス、
   ハナ・ジョン=カーメン、デレク・ジャコビ

評価:★★




 ララ・クラフトと言えば、もちろんアンジェリーナ・ジョリーだ。作られた二本とも駄作である割りにその印象が強いのは、ジョリーが体現した「戦う女」像があまりにハマっていたからに他ならない。アクション向きの筋肉質の身体。滲み出る妖気。何か獲物を探しているような目つき。どれだけ物語や演出がつまらなくても、ジョリーだけは裏切らない、そんな信頼が観客との間に存在したのだ。

 だからリブート企画『トゥーム・レイダー ファースト・ミッション』でララを演じることになったアリシア・ヴィキャンデルは大変だ。野に咲く可憐な花のイメージが強いヴィキャンデルが、ほとんど「戦闘マシーン」なジョリーに対抗するにはどうしたら良いだろう。そうして出された答えが「等身大の女の子」というのはつまらないだろうか。

 いや、この選択は間違っていない。アクション向きの体躯でなくとも、引き締まった身体(腹は見事に割れている)。シャーリズ・セロンのようなシャープさ、ガル・ギャドットのようなコスプレが似合う容姿、そしてジョリーのような獣の気配はなくとも、根性と努力と知性で難関を切り開く新星ララ・クラフト。その格好良さに惚れ惚れ…とはならないかもしれないものの、手に汗握り一緒に冒険に乗り出したくなるチャームがあり、ヴィキャンデルの野に咲く花の親しみやすさは、その際大いに有効だからだ。

 実際、ヴィキャンデルはアクションで大健闘。小さな身体なのに、決して物語やアクションに埋没することなく、必死にどの場面も食らいついている。アクション向きの俳優かどうかは走り方で分かる。これが画にならない俳優はまずダメ。身体を前に倒さないまま、大きく腕と足を振るヴィキャンデルのそのスタイルは、ちゃんと魅せられるそれだ。感情的になると声が掠れるのもとても良い。

 問題は作品全体が既視感ある画の寄せ集めに見えることだ。謎解きは「ダ・ヴィンチ・コード」(06年)風。ジャングルの探索は「ゴールド 金塊の行方」(16年)っぽい。森の中を駆け回るのは「ランボー」(82年)か。遺跡に入ってからは「インディ・ジョーンズ」シリーズの匂いが濃い。そもそもララがアーチェリーで敵をなぎ倒すのはホークアイやカットニスを思い出してしまうのだ(ただし、銃をほとんど使わないのはとても良い)。父と娘の物語になっているのはアクション物にしては珍しいものの、それを「ララ・クラフト」誕生ストーリーに落とし込むのは単純過ぎる。

 さて、ララ・クラフトが目指すのは、何とびっくり、我らが日本国にかつて存在したという、あの邪馬台国の女帝 卑弥呼の墓だというからべっくらこく。卑弥呼が島流しされた先である無人島を目指すというとんでも設定にワクワク。…あぁ、それなのに、全然日本らしい画が出てこないってどういうこと。協力者は香港のダニエル・ウーだし、島に到着しても日本の気配まるでなし。せっかくのとんでも設定が活かされないのがもどかしいったらない。





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