リメンバー・ミー

リメンバー・ミー “Coco”

監督:リー・アンクリッチ

声の出演:アンソニー・ゴンザレス、ガエル・ガルシア・ベルナル、
   ベンジャミン・ブラット、アラナ・ユーバック、レニー・ヴィクター、
   ハイメ・カミル、アナ・オフェリア・ムルギア、
   ナタリア・コルドバ=バックリー、ソフィア・エスピノーサ

評価:★★★★




 ピクサー映画『リメンバー・ミー』の勝利はまず、メキシコに目をつけることから始まる。メキシコの伝統行事である「死者の日」を取り上げ、同国のイメージを大々的に展開させるのだ。実写映画ではお馴染みのメキシコの風景は、時に毒々しい色彩になりがちだけれど、アニメーションにすればほら、カラフルでポップなテイストに早変わり。

 加えて死者たちのヴィジュアル。所謂骸骨。骨でできた死者たちがメキシコの民族衣装やアクセサリーに身に着けることで放たれる、エキゾティックかつロマンティックな魅力。ティム・バートン的なダークさはないものの、情熱的なラテンの匂いが、死者の匂いとセクシーに絡み合い、大人っぽい味が添えられる。

 もちろんピクサーはヴィジュアルだけではない。物語のテーマに家族が置かれ、その意味を問い掛ける。平凡?確かに。けれど、普遍的で新味がないテーマでも、主人公のミゲル少年が死者の国に行くことで、風変わりな方向からそれが輝き始める。ここで効くのが死者も、生者の世界で忘れ去られてしまうと、二度目の死が待っているという設定だ。巧い。いや、美味い。

 そう、家族の絆というものにイノチを与えた上、そこに語り継ぐこと、思い出すこと、思い続けることの大切さを放り込むのが美味いのだ。ミゲルは生きている今の自分とずっと前の時代に生きていた先祖の間にある繋がりを感じ入ることになる。そしてだからこそ今を生きたいと願う。これまでよりずっと夢を追いたいと願う。愛し愛される自分でありたいと願う。

 ミゲルとその家族を語る上で切り離せないのが音楽で、当然のように重要な役割を果たす。音楽によって引き離された家族が音楽によって再び心を通わせる意味。メキシコの景色も死者の国の風景もギターが似合うこと。とりわけ「Remember Me」という楽曲が持つ力には感嘆する。たったひとつの楽曲が生まれる過程に大切な心が込められ、それが時を超えて人の心を動かす。音楽へのラヴレターでもあるのだ。

 色々な人物に歌われる「Remember Me」だけれど、クライマックス、ミゲルの歌唱場面に映画のテーマが全て集約される。アンソニー・ゴンザレスの歌声にハートがこもっていること!この場面にどう説得力を持たせられるか、そのために組み立てられた物語と言っても良い。ここにはたくさんの可能性が詰まっている。音楽の可能性。記憶の可能性。許しの可能性。感謝の可能性。そして家族の可能性。広がっていくそれらがどうしようもなく美しく、だからこそ涙を誘われる。





ブログパーツ

blogram投票ボタン

スポンサーサイト



テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

プロフィール

Author:Yoshi
Planet Board(掲示板)

旧FILM PLANET

OSCAR PLANET




since April 4, 2000

バナー
FILM PLANET バナー

人気ページ<月別>
検索フォーム
最新記事
カテゴリ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

月別アーカイブ
最新トラックバック
QRコード
QRコード
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

Friends
福☆こもろ