ロスト・シティZ 失われた黄金都市

ロスト・シティZ 失われた黄金都市 “The Lost City of Z”

監督:ジェームズ・グレイ

出演:チャーリー・ハナム、ロバート・パティンソン、シエナ・ミラー、
   トム・ホランド、エドワード・アシュリー、アンガス・マクファーデン

評価:★★★




 あのインディ・ジョーンズにはモデルになった人物がいたという。20世紀初頭から20年以上に渡り、途中中断は何度もあったものの、アマゾンで冒険を繰り広げた英国の探検家パーシー・フォーセットがその人だ。フォーセットは1925年に消息不明となる。『ロスト・シティZ 失われた黄金都市』は彼に何が起こったのか、ひとつの解答を提示する。

 何しろ探検家だからロケーションが多く、これが見ものだ。馬に乗って鹿を追う冒頭から、大自然に放り込まれた役者たちが、身体を張った演技を続ける。アマゾン特有のじっとりした空気感。溢れる緑は肌に優しいのかそうでないのか。ジェームズ・グレイが監督ゆえだろう、光の捉え方も繊細で、薄暗さの中に美しさがある。もちろん視覚効果は最小限に抑えられる。

 インディ・ジョーンズのような爽快な冒険!…はここにはない。素人でも簡単に予測できるように過酷を極める。筏から放り出されればピラニアの餌食になり、茂みの中からクロヒョウが突然現れ、皮膚は蛆が湧くか爛れるか。飢えと隣り合わせかと思えば、やっと出会った部族は人食い人種だ。死が常に意識されていると言って良いだろう。

 フォーセットはこうした危険を承知でアマゾンに乗り込む。黄金郷(エル・ドラード)の存在を信じているからだ。家庭の犠牲を顧みない彼の姿には、人が安易に呼ぶ「ロマン」以上のものが感じられる。やりたいことに身を捧げるのだから幸せの意味を考えざるを得なくなる。自分勝手なそれの価値を問い掛けられている気分になる。人生の重みというヤツだ。執念が狂気に変わる瞬間も捉えられる。

 また、その一方で人間の可能性もまた、物語に浮上する。どれだけ人に嘲笑されても信じる物を追いかけ、確かに何かを手にするフォーセット。限界まで己を追い込んだからこそ、誰も辿り着かなかった場所へ導かれる男には人間の強さが溢れる。そして、その彼が足を踏み入れるアマゾンの神秘にもまた、文明を創り出す英知が宿っている。そこのところが見逃されない。これは肉体というより精神の旅なのだ。

 チャーリー・ハナムはフォーセットの精神世界を丁寧に探究している。冒険にのめり込む狂人になる一歩手前で踏み止まり、現実との懸け橋として機能する。だから、フォーセットの最後の旅が切ない。心が離れがちだった息子と遂に一緒に探検に出るのだから。ハナムとトム・ホランドの最後の掛け合いは映画の命だ。決して真似はできなくても、理解はできるのだ。





ブログパーツ

blogram投票ボタン

スポンサーサイト



テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

プロフィール

Author:Yoshi
Planet Board(掲示板)

旧FILM PLANET

OSCAR PLANET




since April 4, 2000

バナー
FILM PLANET バナー

人気ページ<月別>
検索フォーム
最新記事
カテゴリ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

月別アーカイブ
最新トラックバック
QRコード
QRコード
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

Friends
福☆こもろ