ダウンサイズ

ダウンサイズ “Downsizing”

監督:アレクサンダー・ペイン

出演:マット・デイモン、クリステン・ウィグ、クリストフ・ヴァルツ、
   ホン・チャウ、ジェイソン・サダイキス、ウド・キア、
   ニール・パトリック・ハリス、ローラ・ダーン

評価:★★★




 10割バッターのアレクサンダー・ペインが捻りを入れてきた。人間を10数センチにまで小さくできる世界を描く。つまりSF要素が入っているのだ。しかし『ダウンサイズ』は結局、SFの匂いはほとんどない。ペインが興味を持つのは人間だ。やっぱりか。そう、来なくっちゃ。

 前半はペイン映画にしては退屈だ。小さくなった世界が想像以上に普通で拍子抜けする。小型人間と通常人間は同居しない。小型人間には専用の居住地が用意され、そこで少しの金でゴージャスに暮らす。つまり映し出される画は、豪邸に移り住んだ人々のそれということになる。住人もクリストフ・ヴァルツ以外、さほど面白味はない。

 小型化されると言うと、どうやって小さくなるのか、身を乗り出すわけだけれど、そちらもあっさりしたもの。身体中の毛を剃られ、薬を打たれ、寝ている間に小さくなっている。ここで惹かれるのは、夫と一緒に小さくなるはずが、妻が心変わり、夫だけが小さくなってしまうという不条理だったりする。コントみたいだけど。

 面白くなるのはホン・チャウなる女優が登場してからだ。ヴェトナムからやってきた小型化難民を演じる彼女のストレートな人となりに触れるにつけ、画面も主人公の人生も途端に活気づく。あぁ、結局人生を輝かせるのは人でしかない。チャウはドライでありながらハートがあるというユニークな綱渡りを見せる。主人公マット・デイモンとの見た目の相性も良い。

 チャウの登場でようやくはっきりすることがある。これはアイデンティティーの物語。自分はどんな人間で、どう生きていくべきなのか。そして、幸せとは何か。デイモンの人生の冒険の中に浮かび上がらせるのだ。ようやくペインの味が物語に沁み渡り始める。ホッとする。

 ただ、後半重要な役割を担うノルウェーのパートは迷走の気配が濃い。宗教めいた人々が登場、この世の終わりを意識することで、主人公は再び人生に想いを馳せる。この画が…結構バカみたい。それならばデイモンとチャウの絡みをじっくり見たかったところだ。





ブログパーツ

blogram投票ボタン

スポンサーサイト



テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

プロフィール

Author:Yoshi
Planet Board(掲示板)

旧FILM PLANET

OSCAR PLANET




since April 4, 2000

バナー
FILM PLANET バナー

人気ページ<月別>
検索フォーム
最新記事
カテゴリ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

月別アーカイブ
最新トラックバック
QRコード
QRコード
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

Friends
福☆こもろ