BEST10 & WORST10 2010 Vol.2

◆2010年 WORST10


1. バレンタインデー “Valentine's Day”
 監督:ゲイリー・マーシャル
 出演:ジェニファー・ガーナー、アシュトン・カッチャー、ジュリア・ロバーツ

 パリス・ヒルトンが出てこないのが、本当に不思議なロサンゼルス版「ラブ・アクチュアリー」。無個性の人物、退屈なセリフ、何の工夫もない横の関係。彼らが眉間にシワを寄せて思い悩むも、薄っぺらさを承知の作り手は、それに本気で立ち入ろうという気配すら感じさせない。要するに脚本が最低最悪。マーケティング重視の映画製作の哀れさを掲げることに、恥を覚えないのだろうか。

2. セックス・アンド・ザ・シティ2 “Sex and the City 2”
 監督:マイケル・パトリック・キング
 出演:サラ・ジェシカ・パーカー、キム・キャトラル、シンシア・ニクソン、クリスティン・デイヴィス

 ニューヨークを飛び出してしまったのが間違いの元。倦怠期と思しき時期の気分の浮き沈みを大々的に取り上げ、殊更騒ぎ立てる価値のないことをダラダラと語り続けるばかりで飽き足らず、アブダビで金に物を言わせた贅沢三昧で大騒ぎ。年齢を重ねて洗練されるのではなく、厚かましさばかりを補強した女たちほど恐ろしいイキモノはない。楽しかったTVシリーズへの冒涜。


3. 食べて、祈って、恋をして “Eat Pray Love”
 監督:ライアン・マーフィ
 出演:ジュリア・ロバーツ、ハヴィエル・バルデム、ジェームズ・フランコ

 思い込みが極端に激しく、自己愛が非常に強いだけの女が、周囲に多大なる迷惑をかけ、それでも呑気に、食べて、祈って、恋をするだけの物語。自分探しの旅を都合良く装飾し、ひたすら女が気持ち良くなることを目指す。ポストカード風の綺麗さしか映し出さないカメラワークもチープで、浮かび上がるのは女の身勝手さだけという恐ろしい事態。誠実さはどこに。


4. アリス・イン・ワンダーランド “Alice in Wonderland”
 監督:ティム・バートン
 出演:ミア・ワシコウスカ、ジョニー・デップ、ヘレナ・ボナム=カーター、アン・ハサウェイ

 あのバートンまでもがあの独創的な世界を作り上げるために、CG技術をこれでもかと投入した破廉恥な画面作りに没頭、人工的で温もりに欠けた世界が無惨な姿で広がっている。3Dの魅力もいよいよ分からない。ここには職人たちが手作りで創造した、直に感じられる芸術は皆無。バートンならではの虐げられる者を優しく見守る視点も見当たらず、映画の未来を憂う。


5. アデル ファラオと復活の秘薬 “The Extraordinary Adventures of Adèle Blanc-Sec”
 監督:リュック・ベッソン
 出演:ルイーズ・ブルゴワン、マチュー・アマルリック、ジル・ルルーシュ

 ベッソン映画に期待などしていない。していないけれどしかし、これは酷い。ヒット映画の良いとこ取りをして組み立てられた物語が、それなのにあぁ、なんと退屈なのか。演出が完全なるコント用なのにも心底タマげる。素人が30分で書いたような脚本をベースに、大金をつぎ込んで遊んでいるベッソン。もちろんゲラゲラ笑っているのは作り手だけ。テキトーってこういうこと。


6. トロン:レガシー “TRON: Legacy”
 監督:ジョセフ・コシンスキー
 出演:ギャレット・ヘドランド、ジェフ・ブリッジス、オリヴィア・ワイルド

 「ゲームの世界の住人(プログラム)の反乱」を、最新の視覚効果技術をふんだんに取り入れて装飾することに全力を注ぎ、その虚しさに決して目を向けない浅はかさよ。アイデアの伴わない技術が生み出す無機質な空間は果てしなく広がり、しかしそこにはドラマのうねりは皆無。テクノロジーにより雁字搦めになった世界と同じように、作り手もまた技術に溺れてしまった。創造力はどこに。


7. エクスペンダブルズ “The Expendables”
 監督:シルヴェスター・スタローン
 出演:シルヴェスター・スタローン、ジェイソン・ステイサム、ジェット・リー

 アクションスター版「オーシャンズ11」を気取るも、スターたちの持ち味は全く活かされず、銃弾の嵐だけが降り注ぐ。80年代から90年代にかけての自身の主演映画の栄光を引きずったスタローンの演出に輝きはまるでなく、浮かび上がるは失笑のみ。一致団結して頑張ろうというところから製作が始まり、しかし最終的には監督のスタローンが目立って終わりという映画。


8. 噂のモーガン夫妻 “Did You Hear About the Morgans?”
 監督:マーク・ローレンス
 出演:サラ・ジェシカ・パーカー、ヒュー・グラント

 敏腕弁護士と不動産会社の社長という役柄の設定に象徴されるように、主演男女優の持ち味を活かそうという心意気が感じられない怠惰な脚本。人間関係から生まれる笑いを一切無視、当たり障りのない生温いギャグを繰り返し、グラントのボケでオチをつけるワンパターン演出に驚愕。知らぬ間に仲直りしてハッピーエンドに収まってるふたりが愚かしく見えてしまうのも当然だろう。


 9. しあわせの隠れ場所 “The Blind Side”
 監督:ジョン・リー・ハンコック
 出演:サンドラ・ブロック、クイントン・アーロン、ティム・マッグロウ

 白人家庭の妻が寒空の下を歩いていた少年を何の躊躇いもなく家に泊める行為から善行のオンパレード。彼らの行為は確かに尊い。しかし、それに何の疑いも抱かず、ただ良いことだからと話を進めていくのが、あぁ、なんと胡散臭いのだろう。善行の根底にあるものを無視して「良い人」だからで済ませるのが、大変無責任。迷いこそが本当に尊さであることを痛感する。


10.プレシャス “Precious: Based on the Novel Push by Sapphire”

 監督:リー・ダニエルス
 出演:ガボーレイ・シディベ、モニーク、ポーラ・パットン

 どこまでヒロインを追い詰めるのだろう。未だかつて見たことのないような不幸の乱れ打ち。ここまで露骨に容赦なく負のファクターを並べ立てると、見せ方をよっぽどデリケートに工夫しない限り作り物に見えてしまうことをもっと自覚するべきだ。作り手の意図が透けて見えてしまうことで、メッセージが空洞になる。ヒロインの意外なファッションセンスを楽しむ。



その他WORST10選考作品
『パーフェクト・ゲッタウェイ』『NINE』『ラスト・ソング』『ボーダー』『レポゼッション・メン』『エアベンダー』『バウンティー・ハンター』『キャッツ&ドッグス 地球最大の肉球大戦争』『バイオハザードIV アフターライフ』『ストーン』『GAMER』





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