ザ・シークレットマン

ザ・シークレットマン “Mark Felt: The Man Who Brought Down the White House”

監督:ピーター・ランデスマン

出演:リーアム・ニーソン、ダイアン・レイン、マートン・ソーカス、
   アイク・バリンホルツ、トニー・ゴールドウィン、
   ブルース・グリーンウッド、マイケル・C・ホール、
   ブライアン・ダーシー・ジェームズ、ジョシュ・ルーカス、
   エディ・マーサン、ウェンディ・マクレンドン=コーヴィ、
   マイカ・モンロー、ケイト・ウォルシュ、トム・サイズモア、
   ジュリアン・モリス、ノア・ワイリー

評価:★★




 2005年に「ディープ・スロート」の正体が明らかになったとき、いつか映画化されると読んだ人は多いだろう。あれから10年以上経ち、『ザ・シークレットマン』は完成した。ちょうどドナルド・トランプ政権によるロシアゲート疑惑が囁かれる時代に、だ。ディープ・スロート。リチャード・ニクソン政権によるウォーターゲート事件を告発した謎の人物。当時のFBI副長官、マーク・フェルトだ。

 幾度も映像化されているウォーターゲート事件をフェルトの視点から描く試みが、面白くなりそうでならない理由は明白だ。事件を多角的に分析・活写するのではなく、フェルトがそのときどう動いたか、それを辿るだけに終わるからだ。FBI長官代理やCIA、マスコミ、そしてホワイトハウス…様々な方向から入るプレッシャー。フェルトへの攻撃は何方向からも来るというのに。

 ピーター・ランデスマンは生真面目にエピソードを綴るものの、それだけでは事実の羅列以上のものは浮上しない。FBIは独立機関であるべきという真っ当な信念を守り、「正義」をいかにして貫くか。フェルトの信念が上から下から横から突かれ続ける。その様をまるで中間管理職的風情に閉じ込める。

 したがって、メインとなるのはフェルトの苦悩の表情。「副長官も辛いよ」的に、フェルトに扮したリーアム・ニーソンが眉間にシワを寄せ続ける。ランデスマンは事ある毎にそれをアップで捉える。彼はジャーナリスト出身とのことだけれど、どうやら映画的快感を画に求めることに興味はない。あくまで堅苦しく説明的なセリフの応酬と、70年代社会派映画を憧れるだけに終わる殺風景な画、そしてやたら大袈裟なスコアを並べるのみ。

 …となると、せっかくの豪華性格俳優陣も無駄になる。脇の脇までクセモノが揃えられ、彼らが登場する度「出たー!」と叫びたくなるというのに、如何せん見せ方が地味で工夫がないため、彼らを眺める喜びが急速に萎む。ちなみにニーソン同様、クセモノたちもまた、しかめっ面で通す。マジメか!いやホント、マジメなんだね。映画を楽しみたい人ではなく映画をきっかけに議論したい人々向きの外観なのは、そのためだ。

 さて、ウォーターゲート事件と時を同じくして、フェルトは家庭でも問題を抱えていたようだ。妻とのぎくしゃくした関係もさることながら、娘の失踪に大きく心を痛めていたらしい。このエピソードが時折箸休めのように入るものの、僅かほどにも機能していない。突然別の映画に突入したかのような異物感。せっかくのダイアン・レインもなす術なし、だ。





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