April 6-8 2018, Weekend

◆4月第1週公開映画BUZZ


“A Quiet Place”
 配給:パラマウント
 監督:ジョン・クラシンスキー
 Budget:$17,000,000
 Weekend Box Office:$50,203,562(3508) Great!
 OSCAR PLANET Score:90.4 BIG WAVE!!!
 Oscar Potential:作品賞監督賞脚本賞
           主演(助演?)女優賞:エミリー・ブラント
           助演男優賞:ジョン・クラシンスキー
           撮影賞、編集賞視覚効果賞録音賞音響効果賞作曲賞

ビューティフル・デイ “You Were Never Really Here”
 配給:アマゾン・スタジオ
 監督:リン・ラムジー
 Budget:-
 Weekend Box Office:$132,829(3) Great!
 OSCAR PLANET Score:86.3 BIG WAVE!!!
 Oscar Potential:作品賞、監督賞、脚本賞
           主演男優賞:ホアキン・フェニックス
           編集賞、作曲賞

“Blockers”
 配給:ユニヴァーサル
 監督:ケイ・キャノン
 Budget:$21,000,000
 Weekend Box Office:$20,556,350(3379) Good!
 OSCAR PLANET Score:74.2
 Golden Globe Potential:作品賞、監督賞、脚本賞
                主演男優賞:アイク・バリンホルツ
                主演女優賞:レスリー・マン

“The Miracle Season”
 配給:LDエンターテイメント
 監督:ショーン・マクナマラ
 Budget:-
 Weekend Box Office:$3,950,652(1707) zzz...
 OSCAR PLANET Score:43.0
 Oscar Potential:助演男優賞:ウィリアム・ハート
           助演女優賞:ヘレン・ハント

“Chappaquiddick”
 配給:エンターテイメント・スタジオ・モーション・ピクチャーズ
 監督:ジョン・カラン
 Budget:-
 Weekend Box Office:$5,765,854(1560)
 OSCAR PLANET Score:75.9
 Oscar Potential:作品賞、監督賞、脚本賞
           主演男優賞:ジェイソン・クラーク
           助演女優賞:ケイト・マーラ

“Lean on Pete”
 配給:A24
 監督:アンドリュー・ヘイ監督
 Budget:$8,000,000
 Weekend Box Office:$46,975(4)
 OSCAR PLANET Score:85.9 BIG WAVE!!!
 Oscar Potential:作品賞、監督賞、脚色賞
           主演男優賞:チャーリー・プラマー
           助演男優賞:スティーヴ・ブシェーミ
           助演女優賞:クロエ・セヴィニー

“Where Is Kyra?”
 配給:パラディン
 監督:アンドリュー・ドスンム
 Budget:-
 Weekend Box Office:$7,000(1)
 OSCAR PLANET Score:80.0 BIG WAVE!!!
 Oscar Potential:作品賞、監督賞、脚本賞
           主演女優賞:ミシェル・ファイファー


※OSCAR PLANET Score…各有力媒体の批評を基にOSCAR PLANET独自の計算法により弾き出した評価バロメーター。作品賞、監督賞&脚本賞レース参戦を目指すのであれば、少なくとも70.0以上は欲しく、80.0以上なら堂々たる資格を具えていると考えて良い。ただし、演技賞や技術賞では作品評価が伸びなくても、候補入りする場合が少なくない。

※Oscar Potential…オスカーチャンスのある部門。太字は特にその可能性が高い。


【総括】
 カンヌほど大型ではなくても、年々注目度が増しているのが、毎年オースティンで3月に開催されるサウス・バイ・サウスウエスト映画祭。今年そこで上映され、瞬く間にBUZZが盛り上がったのが『A Quiet Place』。音に極めて敏感な怪物の出現により人類の多くが死に絶えた世界が舞台。それに怯えながら暮らすある一家を襲う恐怖を描くホラーになる。映画ファンなら真っ先に目が行くのがジョン・クラシンスキー&エミリー・ブラント夫妻が監督と女優として初めてタッグを組んだ点になるだろうが(クラシンスキーは出演も兼ねる)、そういうゴシップ的興味を吹き飛ばす、充実の出来映えになっているとか。オリジナリティ溢れる怪物を巧みに操り(沈黙に鮮やかな表情を与えることに大成功)、ホラー映画の基本である心臓を貫くような恐怖を途切れることなく浮上させる見事な演出。音を立てても立てなくても(主人公家族は基本的に手話で会話する)観る者の身体は硬直、観たことのない世界観に圧倒されること間違いなしだとか。内容を考えれば賞レース参戦は難しいだろうが、前年の「ゲット・アウト」(17年)の例もあり、目に留められても不思議ではないとの声が拡大している感(アンサンブル色の強い内容ゆえ、ブラントは助演プッシュにした方が良いとの見方がある)。クラシンスキーの監督としての才能が開花したと言って良いだろう。もしかしたら今後は、ベン・アフレックのようなキャリアにシフトしていくのかもしれない。なお、この評価は興行成績に結実。ホラー映画としては異例となる大爆発のオープニングを迎えている。社会現象的ヒットへ発展するか、注目したいところ。

 昨年のカンヌ映画祭で主演のホアキン・フェニックスが男優賞を受賞した『ビューティフル・デイ』がようやく公開された。元軍人で行方不明者の捜索を仕事にしている男が、上院議員の娘の捜索を依頼されることから始まる犯罪スリラー。監督はこれまでの作品がいずれも高評価を獲得しているリン・ラムジーで、なるほど今回も批評家の支持を取りつけることに成功している。いちばんの見ものは、何と言っても、相変わらず役への入り込み方が尋常ではないフェニックスの鬼気迫るパフォーマンス。彼の肉体から放出される狂気が現代社会を体現、一度それを目撃してしまうとそこから目が離せなくなるという。おかげで作品自体が、あの「タクシードライバー」(76年)の現代版のように見えてくる。この賛辞を考えると賞レース参戦があってもおかしくないと思われるが、では何故前賞レースシーズンを避けたのか。おそらくダークな作りが観る人を選ぶこと、そして賞よりも映画祭向きの内容だからだと思われる。もちろん批評家賞で善戦すれば、フェニックスのオスカー候補が見えてくるかもしれないが…。興行的には限定公開ながら猛烈なスタート。どこまで拡大公開に繋げられるか。

 コメディ映画『Blockers』はプロムナイトが舞台。…と言っても主人公は子どもではなく親の方。プロム当日に処女を捨てようとしている娘たちに気づき、それを阻止しようと奔走する親たちが描かれる。想像されるバカ騒ぎを考えると、批評家の冷たい視線が目に見えるようだが、何と、むしろ好意的見解が圧倒的という予想外の嬉しい事態。確かな力を持つ俳優たちによる愉快な喜劇演技、ファニーで捻りの効いたセリフと展開に支えられ、これまで見たことのないセックス・コメディになっているとか。とりわけ驚かされるのは脚本で、思いがけず多面的なテーマが浮上しているらしい。こうなると、オスカーは無理でもゴールデン・グローブ賞ぐらいは狙いたいところだろう。興行的にも好スタートを切っていて、可能性はゼロではない。

 『The Miracle Season』は交通事故によりチームメイトを失った高校女子バレーボールチームが、州大会の優勝を目指す様を描く実話物。こちらも批評家の冷たい反応が見えるようなプロットで、そしてこちらはそのまま冷たい反応ばかり返ってきている。薄っぺらなキャラクターが感傷たっぷりの物語の中で窒息寸前。せっかく語る価値のある題材を台無しにしていると手厳しい。ラジー賞に引っ掛かる程の話題性もないというのは救いになるだろうか。興行的にも全く良いところのない出足になっている。

 『Chappaquiddick』も実話物で、名門ケネディ家の9番目の子に当たるエドワード・ケネディが起こした自動車事故、通称チャパキディック事件が取り上げられる。真相を探るというよりは答えの出ない答えを探して彷徨うような内容で、その点でストレスが溜まる部分があるとのことだが、それを補って余るのが主人公を演じるジェイソン・クラークのパフォーマンス。時代の空気が見事に再現される中、目が離せない存在感を見せているとのこと。BUZZ不足を考えると賞レース参戦はないだろうが…。週末成績も不発。このジャンルは動員に結びつき難いのが常識で、何故1,000館以上の箱を用意したのか、不思議なところ。

 ウィリー・ブローティンの小説の映画化した作品が『Lean on Pete』。15歳で競走馬の調教助手となった少年と殺処分を告げられた競走馬が一緒に旅に出る様を描く。主人公の少年を演じるチャーリー・プラマーが、プレミア上映されたヴェネチア映画祭で若手俳優賞を受賞している。…と来れば、内容が良いことが想像できる。そして事実、映画祭同様、批評家の声は温かい。感傷を巧みに避けて語られる少年と馬の冒険が魅力的で、プラマーの演技も明るい将来性を感じさせる頼もしいもの。少年映画の佳作と認定して良いのではないか。ただ、健全過ぎる作りが大人向きとは言えないか、賞レース参戦の気配はあまり感じられない。また、限定公開で始まった興行の方も派手さのないオープニングに終わっている。

 最後に紹介するのは『Where Is Kyra?』。仕事を失い、母の介護をしなければならないという厳しい毎日を送る中年女を主人公にしたドラマになる。プレミア上映されたのは昨年のサンダンス映画祭で、そこから一年以上を経ての公開。…となると、出来映えが心配されるのだが、これがなかなかどうして、批評家筋からは温かい賛辞が圧倒的優勢。アメリカの現実をひりひりと浮かび上がらせる描写の数々と、その中で現実感たっぷりの演技を見せるミシェル・ファイファーを中心に、一定の評価を与えたものが大半。では、何故なかなか公開されなかったのか。おそらく地味で辛辣な内容が動員に結びつき難いと判断されたのではないか。事実、興行的には僅か1館でのオープニングで、しかも平凡な数字しか報告されていない。もし賞レース参戦があるとするならファイファーの演技賞になるだろうが、この話題性不足を考えると厳しいと言わざるを得ない。





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