ウェディング・テーブル

ウェディング・テーブル “Table 19”

監督:ジェフリー・ブリッツ

出演:アンナ・ケンドリック、リサ・クドロー、クレイグ・ロビンソン、
   スティーヴン・マーチャント、トニー・レヴォロリ、ジューン・スキッブ、
   ワイアット・ラッセル、トーマス・コックレル、
   アマンダ・クルー、マーゴ・マーティンデイル

評価:★★




 映画の世界においては、結婚式では「何か」が起こると決まっている。立場も居住地も性別も人種も全く違う人々が一堂に会するのだから、「何か」を起こしやすいのだ。ところがこの『ウェディング・テーブル』、なかなか「何か」が起こらない。なるほど、さては「何か」に頼らず、キャラクターの面白さで勝負するのか。結構じゃないか。

 アンナ・ケンドリックを初めとする19番テーブルに集められた人々は、どのグループにも属さない「その他」として出席する。要は新郎新婦にとって、いてもいなくても良い人々だ。そして確かに欠席しても何の問題もないだろう。新婦の乳母や遠い親戚、ちょっとした知人、そして新婦の兄の元彼女。当然初対面の彼らが座るテーブルの空気は気まずいものとなる。

 この居心地の悪さがなかなか面白い。結婚式なんてものは、新しい門出を迎えた新郎新婦の知り合いへの挨拶を一度にやってしまうことが最重要点だから(そうでしょう?)、元々そんなに面白いものなんかではない。そこに来て、見知らぬ人々と当たり障りのない会話をしなければならない現実。それぞれに問題を抱えた19番テーブルの面々が醸し出す可笑しさは、きっと誰もが経験のあるものではないか。

 おそらくこの居心地の悪さが悪夢を引き出していくのだろう。式が終わればもう会うこともないだろう彼らが、そして式を滅茶苦茶な方向に持っていくに違いない。そう睨んだというのに、さっさと式場から退場してしまうだなんて、何を考えているのか。まあ、結婚式でお馴染みの苦痛に満ちたスピーチや耐え難い余興に付き合うよりはマシと言えど、せっかくの勝負どころで棄権しているかのようで勿体ない。まあ、でも確かに互いの虚しい人生を告白する件は、なかなか染み入るものがある。

 …って、うっかり騙されそうになるものの、やっぱりこれは間違いだ。人は皆ろくでなし(ridiculous)だと自覚した面々が、それでも生きていかなければならないと、人生や心持ちの立て直しを図る。つまり「良い話」方向に舵を切るのだ。前半のすっとぼけた可笑しみはどこへやら。人生を悟った人々が、何だか気分良く結婚式を締め括るだなんて、これこそ悪夢というものだろう。彼らには結婚式後ならではの喪失感を愛でて欲しい。とりわけケンドリック、それで良いのか。序盤に出てきたクリス・ヘムズワース3割引きみたいな男の扱い、何だったの!?

 19番テーブルの面々にはクセモノスターが充てられた。当然だ。ただ、皆その個性を爆発させられたかというと、首を傾げる。唯一、新婦の元乳母に扮したジューン・スキッブは面白い。ほとんど置物的微笑ましさで、鋭く場を刺激する。うーん、他のクセモノもやりたい放題で良いのに。演出や脚本のおとなしさに遠慮でもしたのだろうか。





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