RED レッド

RED レッド “Red”

監督:ロベルト・シュヴェンケ

出演:ブルース・ウィリス、モーガン・フリーマン、ジョン・マルコヴィッチ、
   ヘレン・ミレン、メアリー=ルイーズ・パーカー、カール・アーバン、
   ブライアン・コックス、ジュリアン・マクマホン、リチャード・ドレイファス、
   レベッカ・ピジョン、クリス・オーウェンズ、アーネスト・ボーグナイン

評価:★★★




 タイトルになっている『RED レッド』が「Retired Extremely Dangerous」というのが可笑しい。ここで活躍するのは、若いハンサム男優やグラマラスな新人女優なんかではない。大御所と言って良い、しかも(大半が)演技派のヴェテランたち。「若造は引っ込んでな」と元気一杯に飛んだり跳ねたり。主人公ブルース・ウィリスは年金を貰う年齢で、しかも恋までしちゃう。相手が40代後半になったメアリー=ルイーズ・パーカーってのも、なんだかスゴイ気がする。パーカーはやけに若作りだし。「老いてもたまには暴走したい。いや、暴走しようぜ」というのがコンセプトにあるのだろう。

 そんなわけで大いに支持したい気分にはなるのだけれど、どうしても腑に落ちないのはアクションの見せ方だ。昨今のアクション映画の悪しき例に倣うかのように、銃弾の消費量と爆発の派手さに頼ったそれが、矢継早に繰り出されるのだ。CIAの世界が舞台になっているというのに、真昼間から市民生活を無視したはた迷惑な銃撃戦と爆発合戦ばかり。思わず「エクスペンダブルズ」(10年)を思い出す。役者の身体が動いているわけではなく、画面の装飾に金をかけることでモタせる、あの怠惰な演出だ。アメリカの嫌な体質も見え隠れする。そう言えば、スターたちをアンサンブル風に魅せていくのも共通している。

 ただ、「エクスペンダブルズ」と決定的に違うのは、役者の力だろう。「脳ミソ筋肉」な「エクスペンダブルズ」組もあれはあれで貴重なのだけれど(興味はあんまり持てないけれど)、こちらは敵も味方も人間的味わいで魅せるスターがズラリ。中でもヘレン・ミレンとジョン・マルコヴィッチが快調で嬉しくなる。前述のようなアクションではさほど感心するところはないものの、掛け合いに巧い役者同士のユーモアが絶妙の匙加減で散りばめられてある。ミレンが機関銃をぶっ放すときのマルコヴィッチのサポートなど、良い例だろう。アクションの軽薄さをヴェテランならではのユーモアセンスでカヴァーしている。

 老いてきたヴェテランと対照的に描かれるCIAエージェント役はカール・アーバンで、なかなかの奮闘を見せている。出過ぎず霞まずという役割をきちんと守り、なおかつさり気なくカッコイイ。ちょいとBなところも良い味だ。中盤にあるCIA本部でのウィリスとのファイトシーンが見もの。狭い部屋で取っ組み合いを見せる。このときの血塗れ具合がとてもイイ。銃撃や爆発に埋もれてしまいそうだけれど、肉体が動くこういう場面こそがアドレナリンを刺激する。

 原作はグラフィックノヴェルだという。それでなのか、人の死に様が漫画的に処理されていたのに、ホッとする。爆発で派手に飛び散るのが大半なのだけど、あまり現実的な感じは受けず、サクサク次へと進んでいく。現実感とファンタジーの間のバランス感覚は悪くないのだと思う。しかも、スピード感が大切にされている。物語が常に前のめりになっているような印象があり、細部の粗を見え難くしている。傑作なんかではないのに、それもまたそこそこ楽しめる理由のひとつである。





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