パディントン2

パディントン2 “Paddington 2”

監督:ポール・キング

声の出演:ベン・ウィショー、イメルダ・スタウントン、マイケル・ガンボン

出演:ヒュー・ボネヴィル、サリー・ホーキンス、ブレンダン・グリーソン、
   ヒュー・グラント、ジュリー・ウォルターズ、ジム・ブロードベント、
   ピーター・キャパルディ、マデリン・ハリス、サミュエル・ジョスリン

評価:★★★★




 パディントンの何が良いって、全く媚びないのが良い。いや、可愛い。とても可愛いのだ。けれどそれは、皆に愛されようと必死に着飾った可愛さではなく、クマ本来の愛らしさを大切にしたがゆえの自然なそれなのだ。赤い帽子と青いダッフルコートがトレードマーク。木製のアタッシュケースも素敵だ。どのアイテムも使い込んで草臥れているのが、かえってオシャレ。英国グマの紳士な香りを決定づける。

 心優しきブラウンさん一家の一員となった一作目(15年)から2年。『パディントン2』では泥棒に間違われて刑務所入りするパディントン。つまりブラウンさん一家との掛け合いが少なくなるのだけれど、何も心配することはない。ブラウンさん一家が新犯人捜しで「スパイ大作戦」する間、パディントンは暗い刑務所をハッピーな色に変えていく。

 寝ぼけた水色だった囚人服をピンクに染めてしまうところからパディントン絶好調。ちょっとウェス・アンダーソン映画の色彩の匂いを感じさせながら、荒くれ男たちの心をがっちり捉えていく。ブレンダン・グリーソンが強面を大いに活かし、パディントンと強力タッグを形成。刑務所内が明るくチャーミングな場所に変わっていくところは、中盤の見せ場と言って良いだろう。

 パディントンが面白いのは、善良さを武器にしていて、それなのにそれがほんの僅かほどにも嫌味に映らないところだ。人に親切にすれば、親切が返ってくる。ともすれば善意の押し売りに見える危険を秘めながら、それを軽やかに弾むリズムで切り抜けていく。混沌とした現実世界に落とされたパディントンが、世知辛い世の中でダンスする様、その美しさに人は頬が緩み、目頭が熱くなるはずだ。

 パディントンに相応しいヴィジュアルが用意される。序盤ならパディントンがおばさんへの贈り物に選ぶ「飛び出す絵本」の中に入り込む場面の可愛らしさが秀逸。後半なら遂に再会したブラウンさん一家を巻き込んだアクション場面が断然素晴らしい。列車を玩具のそれに見立てたような楽しい画が並ぶ。ここに快感まであるのは、前半に蒔かれていた何気ない伏線が次々回収されていくからだ。脚本が相当練られている。

 パディントンの世界を完成させるのは役者たちの芸。悪役として初登場するヒュー・グラントが、俳優という職業を揶揄いながら、同時に愛情もたっぷり感じさせる妙演。面白い映画は悪役が立体的になっているという法則を証明する。憎めない佇まいの背後には、生きる悲哀まで感じさせるのだから、あぁ、ヘタクソだった若い頃の演技も無駄ではなかったと思わずにはいられない。そんなグラントに作り手も恋をしたのだろう。エンドクレジットでグラントにプレゼントを贈る。そこにはパディントンの精神も宿っている。最初から最後まで気持ち良い映画だ。





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