BEST 2017

2017年 BEST10


1. ベイビー・ドライバー “Baby Driver”
 監督:エドガー・ライト
 出演:アンセル・エルゴート、リリー・ジェームズ、ケヴィン・スペイシー
 音楽と映像、そしてアクションの奇跡的融合。「ベイビー」が画面に溶け、最高の快感と密着した所作、アクションを連発。

2. パターソン “Paterson”
 監督:ジム・ジャームッシュ
 出演:アダム・ドライヴァー、ゴルシフテ・ファラハニ
 派手な事件は一切起こらないのに、あぁ、何と詩的で豊かな空間。同じように見えても同じ日は一日とてない。その幸福。

3. IT/イット “それ”が見えたら、終わり。 “It”
 監督:アンディ・ムスキエティ
 出演:ジェイデン・リーベラー、ビル・スカルスガルド、ジェレミー・レイ・テイラー
 ピエロを触媒に浮上する少年少女の不安定な揺らめきの魅力。恐怖の克服に至るそれぞれの冒険に魅せられる。

4. ナイスガイズ! “The Nice Guys”
 監督:シェーン・ブラック
 出演:ラッセル・クロウ、ライアン・ゴズリング、アンガーリー・ライス、キム・ベイシンガー
 細かい粗を気にさせない太く豊かな筋。それをいかにくすぐり、捩れさせるかに賭けられた技の数々を堪能。

5. スウィート17モンスター “The Edge of Seventeen”
 監督:ケリー・フレモン・クレイグ
 出演:ヘイリー・スタインフェルド、ウッディ・ハレルソン
 自己憐憫に浸ってもそれに酔うことのないまま上手に付き合う術を本能的に取得したヒロインの暴走。その傷すらも愛しくて…。

6. ラ・ラ・ランド “La La Land”
 監督:デイミアン・チャゼル
 出演:ライアン・ゴズリング、エマ・ストーン
 鮮やかなカメラワークに目に焼きつく色彩、そしてハート。魔法がかけられたロサンゼルスの街が夢を残酷と幸福で包み込む。

7. ムーンライト “Moonlight”
 監督:バリー・ジェンキンス
 出演:トレヴァンテ・ローズ、アシュトン・サンダース、アレックス・ヒバート
 部屋の薄明かりや海辺の静けさの中に、主人公や周辺人物の「想い」を解放させる。差し出されるもの全てが、詩になる。

8. ウィッチ “The Witch”
 監督:ロバート・エガース
 出演:アニヤ・テイラー=ジョイ、ラルフ・アイネソン、ケイト・ディッキー
 不完全にしか生きられない人の哀れと、それに気づきつつ目を背けるしかない哀しさ。それが魔女の恐怖に重なる鮮やかさ。

9. ゲット・アウト “Get Out”
 監督:ジョーダン・ピール
 出演:ダニエル・カルーヤ、アリソン・ウィリアムス、キャサリン・キーナー
 人種差別の中に笑いと恐怖を同居させる大胆さ。己の中に隠れている無意識の差別が刺激されたとき、本当の恐怖が始まる。

10. 20センチュリー・ウーマン “20th Century Women”
 監督:マイク・ミルズ
 出演:アネット・ベニング、グレタ・ガーウィグ、エル・ファニング
 魅力的な登場人物たちの姿を通して20世紀の女たちを映し出すという試みに成功。少年に立ち塞がる壁に胸躍る。

次点. シンクロナイズドモンスター “Colossal”
 監督:ナチョ・ビガロンド
 出演:アン・ハサウェイ、ジェイソン・サダイキス、ダン・スティーヴンス
 アイデア倒れになる危険を秘めた不敵な設定だが、それに寄り掛かることなく、勇敢な展開を連打。決着のつけ方にも大いに納得。



■その他のBEST10選考作品
『マギーズ・プラン 幸せのあとしまつ』『沈黙 -サイレンス-』『ラビング 愛という名前のふたり』『エイミー!エイミー!エイミー! こじらせシングルライフの抜け出し方』『ハクソー・リッジ』『ワンダーウーマン』『エル ELLE』『ダンケルク』『オン・ザ・ミルキー・ロード』『ドリーム』『バリー・シール アメリカをはめた男』『ノクターナル・アニマルズ』『ローガン・ラッキー』



◆BEST ACTOR
★アダム・ドライヴァー(パターソン)
 アンセル・エルゴート(ベイビー・ドライバー)
 アンドリュー・ガーフィールド(ハクソー・リッジ)
 エミール・クストリッツァ(オン・ザ・ミルキー・ロード)
 ロバート・パティンソン(グッド・タイム)

 やはりジム・ジャームッシュの役者を観る目は確かだった。四六時中詩を詠むという、下手をすると自己陶酔の域に突入しそうな主人公にドライヴァーを充てる巧さ。派手な自己表現はなくとも十分詩的なのは、ドライヴァー自身が「詩」であるから。『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』のような超大作にも、『ローガン・ラッキー』のような小粋な作品にもハマる、ドライヴァーの唯一無二の個性に乾杯。


◆BEST ACTRESS
 ガル・ギャドット(ワンダーウーマン)
★イザベル・ユペール(エル ELLE)
 ナタリー・ポートマン(ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命)
 ヘイリー・スタインフェルド(スウィート17モンスター)
 シャーリズ・セロン(アトミック・ブロンド)

 レイプされた女に同情の心を寄せることなく、彼女の秘める怪物性を炙り出すとは、やはりポール・ヴァーホーヴェンは正しく変態的嗜好の持ち主だ。そしてそこに愛嬌がある。ユペールはそれを完璧に捉えてみせる。人間のままモンスターになった女の恐ろしさと可笑しみを生きたものにするその迫力は、ユペールのセルフパロディの側面すら感じさせるのに驚愕。ユペールに怖いものなど、ない。


◆BEST SUPPORTING ACTOR
 マハーシャラ・アリ(ムーンライト)
 ケヴィン・コスナー(ドリーム)
 ルーク・エヴァンス(美女と野獣)
 ウッディ・ハレルソン(スウィート17モンスター)
★ニック・オファーマン(ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ)

 オファーマンだけでなく、その兄を演じたジョン・キャロル・リンチも大いに讃えたい。マイケル・キートン ショーとでも言うべき作りでは当然アクが強くなる。それを適度に緩和し、時に優しく刺激し、或いは僅かな希望を感じさせ…と脇役の鏡のような仕事を見せる。その掛け合いは作品のオアシスと言って良く、演技という芸術への敬意もたっぷり感じられる。彼らがいなければ良い映画はできない。


◆BEST SUPPORTING ACTRESS
 エル・ファニング(20センチュリー・ウーマン)
 グレタ・ガーウィグ(20センチュリー・ウーマン)
 ブレイク・ライヴリー(カフェ・ソサエティ)
 クリステン・スチュワート(カフェ・ソサエティ)
★ロビン・ライト(ワンダーウーマン)

 もちろんガル・ギャドットは素晴らしかった。完璧なワンダーウーマンだった。ただ、彼女を戦士へと導くライトの、出番が少ないながらの勇姿も忘れ難いものがある。驚くのはこれまでのライトのイメージとは全く異なることで、アメコミ的コスチュームを着て、全身を使ったアクションに身体を捧げても全く浮いていない。「コングレス未来学会議」が助走だったか。ライトの女優としての器の大きさを感じる。


◆BEST BREAKTHROUGH ACTOR
★ルーカス・ヘッジズ(マンチェスター・バイ・ザ・シー)
 ダニエル・カルーヤ(ゲット・アウト)
 トレヴァンテ・ローズ(ムーンライト)

 若い肉体から溢れる喪失感。父の死のショックを受け止められているのかいないのか、自分でも分かっていない魂が、未熟でも力強い生命力で必死に光を探る。ヘッジズが若々しく繊細に捉えるそれが、作品の希望。彼なくして作品は成立しなかった。


◆BEST BREAKTHROUGH ACTRESS
 アナ・デ・アルマス(ブレードランナー 2049)
 リリー=ローズ・デップ(プラネタリウム)
★アニヤ・テイラー=ジョイ(ウィッチ)

 離れ目をほとんど気にさせない美しい撮り方がなされたテイラー=ジョイがホラーを成立させる。クライマックス、まるで一息で魅せるような芝居も大いに見もの。『スプリット』で多重人格者と渡り合う演技も一見の価値がある。クセモノスターの座は約束された?!



【2017年BEST10をふりかえって】
 映画は何故面白いのか。理由のひとつは、何かが動き続けていることだと答える。それは肉体かもしれないし心かもしれない。そういう意味で、上位2本は非常に対照的だ。『ベイビー・ドライバー』は肉体が音楽と共に弾け、『パターソン』は静かな中に詩を紡ぎ出す。どちらも動くものを芸術的に捉えたからこそ、こんなにも胸に訴えるのではないか。映画とは動きをデザインするだと改めて思う一年…。





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