gifted ギフテッド

gifted ギフテッド “Gifted”

監督:マーク・ウェブ

出演:クリス・エヴァンス、マッケナ・グレイス、リンゼイ・ダンカン、
   ジェニー・スレイト、オクタヴィア・スペンサー

評価:★★




 いや、マーク・ウェブが心根の優しい人だということは分かるのだ。「(500)日のサマー」(09年)を観ても「アメイジング・スパイダーマン」(10年)を観ても…。けれど、優しさは調味料を間違えると、時に甘ったるい感傷で水浸しになってしまうのだ。ウェブは『gifted ギフテッド』でまんまとその罠にハマる。優しさが仇になる。

 天才的な数学の才能を持つ少女と、彼女を育てる叔父が引き裂かれそうになる。…というストーリーもかなりの水分を含んでいるけれど、ずっと一緒に暮らすと決めた姪っ子を手放す決意をする叔父の見せ方が、より問題だ。もちろん彼は姪っ子を想うからこそ決断する。誰がそれを責められよう。あぁ、社会は善人に何と冷たいことか。

 カメラが映すのは、そう嘆く叔父だけではない。周到に捉えるのは、少女が泣き叫ぶ姿だ。頭は天才的でも心はまだまだ子ども。大好きな叔父さんと離れ離れになるのは嫌だと大粒の涙を落とす。可愛らしい顔が思い切り崩れる。泣かせのポイントが大変分かりやすく、ここで泣かずしてどこで泣く…と作り手自身も泣いている。

 ここに至るまでに用意される舞台が「裁判」というのが、何ともアメリカ的と言うかスクエアと言うか。とにかく理論的に叔父と姪が追いつめられるのに興醒めする。争われるのは、少女は数学の才能を伸ばすために叔父と離れて暮らすべきか、或いは才能を犠牲にしてでも叔父と暮し続けるべきか…というのだから、何ともまあ…。裁判社会の嫌なところを突きつけられる(もしかしたらアメリカ人は裁判が身近過ぎて何も思わないのか)。

 裁判相手は少女の祖母。つまり叔父の母親だ。これがまたバカバカしさを補強するのだけれど、当人たちはお構いなし。少女への愛は嫌というほど謳い上げられるのに、母(祖母)と息子(叔父)の間にあるべき愛にはちっとも触れられない。そしてそれで平気な顔をしている。ホワイ?!

 ウェブらしさが感じられるのは、序盤の学校シーンだったりする。少女があるいじめられっ子の少年を庇い、かつその芸術の才能を讃える件だ。このとき少年がとても可愛らしい表情をするのだ。初めて異性を意識したかのようなドギマギした感情が読み取れる。その後何のフォローもなく終わってしまうのが実に惜しい。勝気な天才数学少女と内気ないじめられっ子少年の恋。今から作り替えられ…はしないか。はい、残念。





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