KUBO/クボ 二本の弦の秘密

KUBO/クボ 二本の弦の秘密 “Kubo and the Two Strings”

監督:トラヴィス・ナイト

声の出演:アート・パーキンソン、シャーリズ・セロン、マシュー・マコノヒー、
   レイフ・ファインズ、ルーニー・マーラ、ジョージ・タケイ、
   ケリー=ヒロユキ・タガワ、ブレンダ・ヴァッカロ

評価:★★★




 ちょいと昔の日本を舞台にした『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』で何より嬉しいのは、片目の主人公、クボ少年の見せる技だ。己の身体とどっこいどっこいの大きさの三味線を奏で、折り紙(本当は和紙、或いは千代紙と言いたい)を自在に操るのだ。折り紙が侍になり、バケモノになり、鳥になり…。勘違いされない日本でイマジネーションが愉快に美しく弾け飛ぶ。

 そして、画そのものの魅力。所謂ストップモーション・アニメーション。登場人物は単なる人形ではなく、何と言うか、それこそ折り紙で作ったような質感。髪の毛が、着物が、陶器が、刀が、灯篭が…人物や日本的アイテムの数々が、丁寧な手作り感満載で描写される。

 話もまた、やはり日本的。…と言うより、そのまま日本に古くから伝わる物語、つまり昔話風だ。クボ少年がお供を従えて、武具を探す冒険に出るだなんて、初めて接する話なのに、何とも懐かしい気分ではないか。お供がサルとクワガタと折り紙の侍というのも、僅かに捻りが効いていて楽しい。

 作り手が日本への最大限の敬意と深い理解を持って作品に挑んでいることは、ディテールの細やかさで分かる。クボ少年が食事の際、とある汁を口にする場面など、思わず膝を打つ。ずずっと音を立ててすする、その画。決して美味そうではないのに一度は飲んでみたい、あの懐かしい日本の風景そのものではないか。

 幻想的なら場面なら、水の上を渡るときの画が秀逸。いつもは折り紙を操るクボ少年が、このときばかりは橙色や黄色の落ち葉を大量に集めて、大きな船を作る。ちゃんと帆も張られている。水の上では悪者との戦いも用意されている。戦場とそして水面下で繰り広げられるスペクタルに美が溢れる。

 クライマックスはもちろん悪者との対決。この場面だけが唯一不満だ。悪者が巨大なバケモノに変身した際の光り具合があまり上品には見えないし、その決着のつけ方ももうひとつ盛り上がりに欠ける。語ることの意味について深く考えさせ、かつそこに苦味を忍ばせることを忘れない大人のテイストの物語の中では、やや浮いてしまった感あり、だ。





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