ローガン・ラッキー

ローガン・ラッキー “Logan Lucky”

監督:スティーヴン・ソダーバーグ

出演:チャニング・テイタム、アダム・ドライヴァー、ライリー・キーオ、
   ダニエル・クレイグ、ヒラリー・スワンク、セス・マクファーレン、
   ケイティ・ホームズ、キャサリン・ウォーターストン

評価:★★★




 同じスティーヴン・ソダーバーグ監督作である「オーシャンズ11」(01年)とどこが違うのか。強盗劇だし、コメディだし、俳優は豪華だし、物語は捻りが効いているし、どんでん返しはあるし…。ひとつは舞台が大都会からノースカロライナ、シャーロットの田舎に移っていること。そしてもうひとつは俳優は豪華でもスター映画にはなっていないということだ。

 「オーシャンズ11」ではスター俳優たちが素を見せているのではないかと勘繰りたくなるほど、どの俳優もスター性を輝かせていた。それに対してここではチャニング・テイタムはお腹が出ているし、アダム・ドライヴァーはいつも以上にもさっとしているし、ダニエル・クレイグはどこか抜けた囚人だし…というようにキャラクターに寄り添った役作り。キャラクターの可笑しさを伝えることに専念しているのだ。『ローガン・ラッキー』、そのスター性を重要視した撮り方も演技もできたはずなのに、何故。

 これはもう、脚本への敬意の表れなのではないか。悪戯に己の解釈を注ぎ込んでしまっては、完成された狙い通りの恍けた世界観が壊れてしまうと、誰も彼もが踏んだのではないか。前半をたっぷり使って描かれるキャラクターの人となり。後半に入ってからはいよいよ緩くも愉快な犯罪劇が始まる。おそらく伏線が張り巡らされているのだろうと注意しながら観てなお、その巧さには唸る。

 例えば序盤、ドライヴァーが経営するバーで喧嘩が始まるシークエンス。兄弟であるテイタムとドライヴァーの関係を手際良く説明してしまうばかりか、ユーモラスな作品のテイストもあっさり決定づける。ここに出てきた何気ない登場人物が後半せり出してくるし、兄弟が脚や手を負傷しているのも見せ場のくすぐりに貢献する。

 俳優たちも上質の脚本に嬉しそうだ。テイタムとドライヴァーののんびりした掛け合いは微笑ましいことこの上なく、テイタムが見せる父性やドライヴァーのマイペース感も良い味。囚人役のクレイグは肉体勝負かと思いきや、単に嗜好の表れかと思われた減塩やグミを作戦に生かすなど、意外や科学的な持ち味を見せるのが可笑しい。彼らののんびりした活躍が山勘や偶然にも助けられた作戦を、大味ではなく大らかに見せる。

 ただ、ヒラリー・スワンクの扱いは、キャラクターの描き方も含めて勿体ない。事件の真相を辿る役割以上のものがなく、さらなる捻りでもあるのではないかという邪推を軽く裏切る。脚本を担当したのは、本当に実在するのか話題になったレベッカ・ブラント(ソダーバーグの別の姿説あり)。キャラクターを愛する書き方が好印象だけに、何故という思い。まさか続編を意識したわけではないと思うけれど…。





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