December 22-24 2017, Weekend

◆12月第4週公開映画BUZZ


ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書 “The Post”
 配給:20世紀フォックス
 監督:スティーヴン・スピルバーグ
 Budget:$50,000,000
 Weekend Box Office:$526,011(9) Great!
 OSCAR PLANET Score:84.8 BIG WAVE!!!
 Oscar Potential:作品賞監督賞脚色賞
           主演男優賞:トム・ハンクス
           主演女優賞:メリル・ストリープ
           助演男優賞:ボブ・オデンカーク
           助演男優賞:トレイシー・レッツ
           助演女優賞:アリソン・ブリー
           助演女優賞:サラ・ポールソン
           撮影賞編集賞美術賞、衣装デザイン賞
           録音賞音響効果賞作曲賞

ダウンサイズ “Downsizing”
 配給:パラマウント
 監督:アレクサンダー・ペイン
 Budget:$68,000,000
 Weekend Box Office:$4,954,287(2668) zzz...
 OSCAR PLANET Score:57.7
 Oscar Potential:作品賞、監督賞、脚本賞
           主演男優賞:マット・デイモン
           助演男優賞:クリストフ・ヴァルツ
           助演女優賞:ホン・チャウ
           助演女優賞:クリステン・ウィグ
           撮影賞、編集賞、美術賞、衣装デザイン賞
           視覚効果賞、録音賞、音響効果賞、作曲賞

“Hostiles”
 配給:エンターテイメント・スタジオ
 監督:スコット・クーパー
 Budget:$55,000,000
 Weekend Box Office:$22,849(3)
 OSCAR PLANET Score:69.7
 Oscar Potential:作品賞、監督賞、脚本賞
           主演男優賞:クリスチャン・ベール
           助演女優賞:ロザムンド・パイク
           撮影賞、編集賞、美術賞、衣装デザイン賞
           録音賞、音響効果賞、作曲賞

グレイテスト・ショーマン “The Greatest Showman”
 配給:20世紀フォックス
 監督:マイケル・グレイシー
 Budget:$84,000,000
 Weekend Box Office:$8,805,843(3006) zzz...
 OSCAR PLANET Score:50.6
 Oscar Potential:作品賞、監督賞、脚本賞
           主演男優賞:ヒュー・ジャックマン
           助演男優賞:ザック・エフロン
           助演女優賞:レベッカ・ファーガソン
           助演女優賞:ミシェル・ウィリアムス
           助演女優賞:ゼンデイヤ
           撮影賞、編集賞、美術賞衣装デザイン賞
           視覚効果賞、録音賞音響効果賞、作曲賞

ジュマンジ ウェルカム・トゥ・ジャングル “Jumanji: Welcome to the Jungle”
 配給:コロンビア
 監督:ジェイク・カスダン
 Budget:$90,000,000
 Weekend Box Office:$36,400,000(3765) Great!
 OSCAR PLANET Score:65.7
 Oscar Potential:主演男優賞:ドウェイン・ジョンソン
           助演男優賞:ジャック・ブラック
           助演男優賞:ケヴィン・ハート
           美術賞、録音賞、音響効果賞

“Pitch Perfect 3”
 配給:ユニヴァーサル
 監督:トリッシュ・シー
 Budget:45,000,000
 Weekend Box Office:$19,928,525(3447)
 OSCAR PLANET Score:38.3
 Razzie Potential:作品賞監督賞脚本賞
           主演女優賞:アンナ・ケンドリック
           助演女優賞:ヘイリー・スタインフェルド
           助演女優賞:レベル・ウィルソン

“Father Figures”
 配給:ワーナー・ブラザース
 監督:ローレンス・シャー
 Budget:$25,000,000
 Weekend Box Office:$3,280,000(2902) zzz...
 OSCAR PLANET Score:25.5 BIG BOMB!!!
 Razzie Potential:作品賞監督賞脚本賞
           主演男優賞:エド・ヘルムズ
           主演男優賞:オーウェン・ウィルソン
           助演男優賞:J・K・シモンズ
           助演男優賞:クリストファー・ウォーケン
           助演女優賞:グレン・クローズ

ハッピーエンド “Happy End”
 配給:ソニー・ピクチャーズ・クラシックス
 監督:ミヒャエル・ハネケ
 Budget:$13,600,000
 Weekend Box Office:$23,091(3)
 OSCAR PLANET Score:72.6
 Oscar Potential:作品賞、監督賞、脚本賞
           主演男優賞:マチュー・カソヴィッツ
           主演女優賞:イザベル・ユペール
           助演男優賞:ジャン=ルイ・トランティニャン
           外国語映画賞

“Crooked House”
 配給:ヴァーティカル・エンターテイメント
 監督:ジル・パケ=ブレネール
 Budget:$10,000,000
 Weekend Box Office:-
 OSCAR PLANET Score:59.3
 Oscar Potential:主演男優賞:テレンス・スタンプ
           主演女優賞:グレン・クローズ
           助演男優賞:マックス・アイアンズ
           助演女優賞:ステファニー・マティーニ
           美術賞、衣装デザイン賞


※OSCAR PLANET Score…各有力媒体の批評を基にOSCAR PLANET独自の計算法により弾き出した評価バロメーター。作品賞、監督賞&脚本賞レース参戦を目指すのであれば、少なくとも70.0以上は欲しく、80.0以上なら堂々たる資格を具えていると考えて良い。ただし、演技賞や技術賞では作品評価が伸びなくても、候補入りする場合が少なくない。

※Oscar Potential…オスカーチャンスのある部門。太字は特にその可能性が高い。


【総括】
 スティーヴン・スピルバーグ監督×メリル・ストリープ×トム・ハンクスという賞レース参戦確実と言われるのも当然な面子が揃ったのが『ペンタゴン・ペーパーズ最高機密文書』。舞台・時代背景となるのは、ベトナム戦争が泥沼化し反戦の機運が高まる1971年のアメリカ。ワシントン・ポストのメンバーがライヴァル紙であるニューヨーク・タイムズと競いながら、ベトナム戦争を詳細に分析したペンタゴン・ペーパーズを世に出そうと奔走する様を描く。事実が隠されがちな今という時代に大変タイムリーな題材と言える。果たして、批評家の反応は大変熱い。表現の自由、報道の自由という言葉にすると単純化されがちなテーマを多角的に炙り出し、偽りの中で生きること、真実を求めることについて深く考えざるを得ない方向に、説教臭くなることなく導いていく。滑らかで安定感あるスピルバーグの演出、ストリープ、ハンクス、そして脇を固めるクセモノ俳優たちによる最高級アンサンブルが見事に機能しているとのこと。もちろん賞レース参戦熱望の声は大きくなっていて、ナショナル・ボード・オブ・レヴューの主役になるなど好スタート。オスカーでも善戦することだろう(ただし、アメリカ映画俳優組合賞でシャットアウトを食らったのは大いに気かかる)。興行的には限定公開で猛烈な出足。拡大公開が成功するか否か、は今後の賞レース展開次第か。

 『ダウンサイズ』はヴェネチア国際映画祭のオープニングを飾ったアレクサンダー・ペイン監督作。人口増加問題の解決のために体調を13センチまで小さくすることが可能になった近未来が舞台。ネブラスカに住む平凡な中年男が縮小された世界に希望を抱き小さくなることを決意するが…。ヴェネチアでのプレミアは作品の期待がいかに大きいか、そのの表れと見るべきだが、その反応は辛うじて肯定派優勢という程度に落ち着いている。これまで一貫して高評価作品を発表し続けてきたペインとしては鈍い反応と言って良く、どうやら題材がペインの個性に合っていない模様。もちろんそうは言っても、ユニークな世界観と才能あるキャストをまとめ上げる手腕は一定レヴェル以上のものはあるとのことだが…。この鈍い反応は賞レース結果にも表れていて、これまでのところほとんど目立っていない。唯一タイ出身のホン・チャウだけが助演女優賞で踏ん張っている。おそらくオスカーでもチャンスは彼女に限られるのではないか。もしかすると脚本賞も…?と期待はしたくなるものの、ただ興行的に大惨敗しているのを見ると、実現は極めて難しいと思われる。

 ヴェネチア映画祭から少し後に開催されたテルライド国際映画祭で話題を呼んだのが『Hostiles』。1892年、インディアンの血を引く陸軍大尉と彼が保留地まで護衛するインディアンの酋長とその家族の関係を描く西部劇。話題の中心になったのは、西部劇ならではのヴィジュアルの魅力とクリスチャン・ベールの第一級演技。なるほど米批評家陣もそれらを中心に賛辞を贈っているのだが、それでも絶賛とまでは行かないのは、ストーリーに改良の余地があるからの模様。賞レースではベールの主演男優賞レース参戦が期待されているのだが、これまでの前哨戦結果を見る限り、現実は厳しいと見て良さそう。ただ、ベールはアカデミー会員受けが良く、西部劇ファンのスターも一定数いると思われることから、もしかすると最後の席に滑り込む可能性はなきにしもあらず、か。尤も、興行成績は苦戦を強いられている。

 昨年を代表するミュージカルはもちろん「ラ・ラ・ランド」(16年)。それならば今年は『グレイテスト・ショーマン』?ゴールデン・グローブ賞では作品賞、主演男優賞、主題歌賞の3部門で候補に挙がり、もしかしたら傑作かも…と映画ファンの期待は高まっていたのだが、あらら、批評家の反応は鈍いものに終わっている。「地上最も偉大なショーマン」と讃えられる実在の興行師P・T・バーナムの半生を描いた内容なのだが、バーナムならではのショーマンシップに魔法が感じられる部分はなくはないものの、多くの場面で複雑なテーマが中途半端に処理され、それゆえミュージカル場面にすんなりとは乗れないのだという。このプロジェクトに最適なヒュー・ジャックマンを活かし切れなかった平凡な作品というのが一般的な意見になる。したがってゴールデン・グローブ賞候補に挙がったのは、スター寄りの同賞ならではの結果と見て良さそうで、オスカーチャンスは美術賞、衣装デザイン賞を初めとする技術部門に引っ掛かるか引っ掛からないか、といったところになるはず。しかし、より問題なのは興行成績の方かもしれない。8,400万ドルもの製作費がかけられながら、1,000万ドルにも届かないスタートとは…。

 ロビン・ウィリアムス主演の大ヒット作「ジュマンジ」(95年)がリブート。『ジュマンジ ウェルカム・トゥ・ジャングル』として再起動する。ゲームオタク四人組が「ジュマンジ」という名のゲームの世界に入り込み、中年オヤジとなってサヴァイヴァルを繰り広げるアクション・コメディ。ウィリアムス版はボードゲームが騒動を巻き起こしたが、今回はテレビゲームに変化している。この手の娯楽作にしては批評家の反応は悪くない。ドウェイン・ジョンソン、ジャック・ブラック、そしてケヴィン・ハートという愉快でチャーミングなキャストの魅力と、不敵に捻られたプロットの力により、充実のエンターテイメント世界を創り出しているという。改良点は少なくないようだが、それでも一定の面白さを認めた評が大半。賞レースは端から狙っていないが、もしゴールデン・グローブ賞に引っ掛かっていたとしても不思議ではなかっただろう。興行的にも好スタートを切っていて、1億ドル突破が実現すれば、シリーズ化も考えられる。『ベイウォッチ』でコケたジョンソンはスターパワーを維持することに成功したと見て良い。

 アメリカでは社会現象を巻き起こするほどのシリーズから第3弾となるのが『Pitch Perfect 3』。世界選手権で優勝し大学を卒業したベラーズが久々にアカペラ部に戻り世界ツアーに出るが、メンバーたちには再び大騒動が勃発し…。過去二作は興行成績のみならず批評という点においても成功を収めていたのだが、今回は逆転、否定派優勢という結果になっている。パフォーマンスが始まればその魅力には抗えなくなるものの、肝心のストーリーはいかにも続編的な薄っぺらさで、キャラクターの彫り下げも効果的になされていないとか。作られる必要のなかったシリーズ映画との指摘が大勢を占めている。もちろん賞レース参戦もない(ラジー賞初参戦の可能性はある)。ならば、興行成績はどうか。公開時期の違いで単純比較はできないものの、前作(15年)からなんと、5,000万ドル近く落とす急降下。土日に伸びなかったのが大いに痛く、更なる続編の製作は難しいのではないか。アンナ・ケンドリックにとって痛い失敗になる。

 コメディ好きには『Father Figures』がある。母から死んだと聞かされていた父親が生きていると知り、彼を探す旅に出る中年双子兄弟を描く。エド・ヘルムズとオーウェン・ウィルソンが兄弟に扮する他、グレン・クローズ、J・K・シモンズ、クリストファー・ウォーケンが脇を固めるという豪華版。何とか高評価・大ヒットに繋げたいところだったが、残念、批評的にも興行的にも失敗に終わっている。内容がありふれている上に冒険心に乏しく、ユーモアも不発。豪華俳優陣のアンサンブルも特に有難味なく映し出されるとのこと。この時期は強豪作品がひしめき合っていて、この反応だと世間の支持を取りつけるのは難しく、週末成績は悲惨な数字が報告されている。もちろん賞レース参戦は望めない。いや、ラジー賞ならもしかして…?

 『ハッピーエンド』は外国語映画賞オーストリア代表に選ばれたミヒャエル・ハネケ監督作。難民問題に揺れるフランス北部の町カレーで暮らす、ある家族が主人公。彼らが抱える秘密が暴かれ、家族が壊れていく様を描き出す。いかにもハネケ的なストーリーだが、批評家の反応はまずまず。人間の嫌なところを抉ることを恐れないその姿勢は立派ではあるものの、物語構造は練り込み不足で、ハネケのベストから程遠いらしい。イザベル・ユペールを初めとするキャストの力も及ばず、か。もちろんそこはハネケ映画、ベストではなくとも水準はキープしいるようだが…。オスカーチャンスはほぼ消滅。外国語映画賞もファイナルラウンド進出を逃している。興行的にも不発臭濃厚なのが寂しいところ。


※追記。その後『グレイテスト・ショーマン』と『Pitch Perfect 3』はホリデイシーズン効果を大いに活用して、Box Office成績を挽回。失敗作どころか興行的成功作としてのステイタスを獲得している。





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