デュー・デート 出産まであと5日!史上最悪のアメリカ横断

デュー・デート 出産まであと5日!史上最悪のアメリカ横断 “Due Date”

監督:トッド・フィリップス

出演:ロバート・ダウニー・ジュニア、ザック・ガリフィアナキス、
   ミシェル・モナハン、ジュリエット・ルイス、ジェイミー・フォックス、
   ダニー・マクブライド、RZA、マット・ウォルシュ、トッド・ウォルシュ、
   チャーリー・シーン、ジョン・クライヤー

評価:★★




 「ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い」(09年)で腹が捩れるほどの笑いを捻り出したトッド・フィリップス監督が手掛けていて、しかもそこにロバート・ダウニー・ジュニアが投入される。相乗効果でますます面白くなるのではないかと期待してしまうのだけど、そうならないから映画作りは難しい。むしろ大幅に笑いの質が落ちている。

 『デュー・デート 出産まであと5日!史上最悪のアメリカ横断』の話自体は「大災難P.T.A.」(87年)と全く同じ。出産を数日後に控えた妻のいる我が家に帰るため、知り合ったばかりの男と一緒にアトランタからロサンゼルスまで車を使ってアメリカ大陸横断の旅に出る主人公の災難が描かれる。当然ロードムービー仕立てになるものの、その良さはほとんど引き出されない。グランドキャニオンやメキシコの国境が出てくるぐらいで、あくまで笑わせ方で勝負、なのである。

 笑いの大半は同乗男が繰り出すイライラ攻撃に捧げられている。悪気はないのに行動のイチイチが常識からちょっとずつズレている。実際にも案外多いタイプ。近くにいる者に迷惑をかける様を笑い飛ばすのだ。笑いのパターンが一辺倒なのにはマイるものの(脚本の練りがまるで足らない)、演じているのが「ハングオーバー!」で抜群に可笑しかったザック・ガリフィアナキスゆえに退屈はしない。

 そう、ガリフィアナキスがいよいよ可笑しい。捻りの足りないジョークをそうでないように見せてしまうくらいに可笑しい。笑いに滑り込ませる味が多様で、しかも妙な落ち着きがある。そもそも、ガリフィアナキスは出てくるだけで笑える。デブなのに下半身は案外細く、ダルマに太めの爪楊枝でも刺したような体型。この容姿に動きがつくと、ますます可笑しさが補強される。特に歩き方がイイ。手の位置と犬がポイントだ(後ろ姿のバカっぽさよ!)。天然パーマを気にしているのもグッドである。

 そして、ガリフィアナキスに迷惑をかけられるのがダウニー・ジュニアなのだけど、これがもうひとつ弾けないのが残念無念。理由ははっきりしていて、ダウニーが完全なる受けの芝居になっているためだ。ダウニーはガリフィアナキスの攻撃を防御するばかりで、自身が起爆剤となって笑いを生み出していくところがほとんどない。なんてもったいない。漫才で言うところのボケと突込みが綺麗に分かれているのが、マイナス方向に働いた格好。Wボケにして話の収拾がつかなくなるくらいの捩れを引き出しても良かったのに。「ドラッグはやっていない」なんてダウニーに言わせて満足している場合じゃないだろう。ダウニーはガリフィアナキスがいない場面での一人芝居の方が見ものというのでは寂しい。

 「ちょっと良い話」風にまとめているのもどうなのか。人情のツボを定期的に押すことで、かえって喜劇のスピードが殺されている。もっとカラッと男ふたりの間に流れるものを切り上げるべきだった。最後まで悪ノリで通した方が、ダウニーやガリフィアナキスも伸び伸びできたと思う。





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