ノクターナル・アニマルズ

ノクターナル・アニマルズ “Nocturnal Animals”

監督:トム・フォード

出演:ジェイク・ギレンホール、エイミー・アダムス、マイケル・シャノン、
   アーロン・ジョンソン、アイラ・フィッシャー、エリー・バンバー、
   カール・グルスマン、アーミー・ハマー、ローラ・リニー、
   アンドレア・ライズボロー、マイケル・シーン

評価:★★★




 真っ先に目に焼きつくのは、エイミー・アダムスの髪の毛の美しさだ。念入りなスモーキーアイ、真っ青な瞳や真っ赤なルージュもインパクトあり。けれど、清流のような赤毛の流れには息を呑む。トム・フォードはまず、ヒロインを完璧な装いで仕立て上げる。

 裕福だけれど満たされない夫との愛なき日々を送るヒロインの元に、20年前に酷い別れ方をした元夫からの郵便物が届く。作家である彼の最新小説だ。フォードはその小説を映像化、それを読み進めるヒロインと並行して描き出す。凝った作りだ。ただ、その筋を追うだけでは『ノクターナル・アニマルズ』の魅力に触れたことにはならないだろう。

 …と言うより、乱暴な言い方をするなら、筋を追いかけるのに集中するのは無駄なことではないか。フォードは物語の語り手としても優秀だけれど、結局はヴィジュアルの人で、画作りの中にこそ、その想いをぶつけているように思うのだ。そして困ったことに、それを言葉で説明しようとすると、途端に野暮になる。フォードが本物である証拠だ。

 現実世界とフィクション世界は微妙なリンクを見せる。中心となる男をジェイク・ギレンホールが演じている点、男が弱い(weak)というワードを投げ掛けられる点、愛する人と哀しい別れがある点等が共通していて、それらにこだわれば、深読みはいくらでもできる。

 見逃したくないのは、アダムスの鎧のようなヴィジュアルに少しずつ隙ができてくるところだ。メイクが薄くなること以外にも、息遣いが生々しく聞こえたり、時に官能を交えたり、動揺が表情を崩したりと、人間的な側面が浮上する。アダムスが極めて魅力的に撮られていることは間違いない。

 脇の脇まで名優が揃えられているのは、フォードの名前が効いたからだろう。ギレンホールやアダムスも素晴らしい存在感だけれど、劇中劇に出てくるアーロン・ジョンソンとマイケル・シャノンがさらに強烈。方や完璧なワル。方や倫理観を飛び越える警官。このふたりもまた現実世界のアダムスとギレンホールの分身なのではないかと考えるのは、さすがに深読みが過ぎるだろうか。





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