ブレードランナー 2049

ブレードランナー 2049 “Blade Runner 2049”

監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ

出演:ライアン・ゴズリング、ハリソン・フォード、アナ・デ・アルマス、
   マッケンジー・デイヴィス、シルヴィア・フークス、レニー・ジェームズ、
   カルラ・ユーリ、ロビン・ライト、ショーン・ヤング、
   デイヴ・バウティスタ、ジャレッド・レト

評価:★★★




 伝説の映画「ブレードランナー」(82年)で多くの人が何よりも強く胸打たれたのは、レプリカントがまとう哀愁だったはずだ。とりわけルトガー・ハウアー演じるロイの末路から滲む生きる苦しみや哀しみは、いつまでも後を引くものだった。続編『ブレードランナー 2049』はいよいよレプリカントの苦悩が前面に出る。人間に生み出され、けれど都合の悪い旧型は疎まれ続け、それどころか世界からの排除を求められる。

 今回レプリカント捜査の任務を担うのはKという名のブレードランナーだ。ライアン・ゴズリングが演じる。彼の抱えるとある秘密も早々に明かされ、辿り着く先にいるのは待ってましたのデッカード。もちろんこちらはハリソン・フォードだ。前作で謎が残されたこともあり、あれこれ想像を巡らせる。明かされる真相には、やはり強烈な哀愁が漂う。レプリカントには様々なタイプがあり、一体毎にその色が異なる。ただ、孤独な魂であることは共通している。それぞれの旅路に魅せられる。

 ただ、このシリーズのいちばんの魅力はその世界観の奥行きにあるのではないか。前作のイメージを引き継ぐ雨降る大都会の夜に浮かび上がるのは、フィルムノワールの気配、ハードボイルドの匂いだ。突如浮上する和テイストをアクセントに、ブレードランナーとレプリカントの謎が妖気を濃厚なものにしていく。ドゥニ・ヴィルヌーヴはしかし、そのイメージだけにこだわらない。独自の進化を遂げたレプリカントたちが棲む場所は、闇から解放されたところにある。特に荒廃の地と化したラスヴェガスの黄色を基調にした画が鮮烈な印象。

 Kが遂にデッカードと出会う場面は作り手の気合いの入りようが違う。真相が見えてくる興奮もさることながら、念入りに組み立てられた美術の美しさ、それを最大限に引き出す優雅な撮影、新旧スターへの敬意が入り混じる激突。視覚効果がそこに静かに溶け込む。

 さらにその後に訪れる、大雨降りしきる中、そして墜落した機体が水に沈みゆく中でのアクションも秀逸だ。ゴズリングの肉体の魅力が大いに引き出される。Kのアイデンティティー問題がそれを哀しく美しく装飾する。これぞシリーズの色だと宣言するかのような気迫を感じる。

 前作への敬意が生み出す丁寧さな作り込みが冗長さに繋がっているのは辛い(163分はさすがに長い。デッカード登場までを引っ張り過ぎだ)。映像の力を信じてスピーディに話を進めても良かった。ただし、それよりも気になるのは、完全にシリーズのファン向けの作りになっていることだ。おそらく前作を知る者と知らない者とでは受け止め方が全く違ってくる。それは少々窮屈に感じられる。まさか最初から新たなる「カルト」を狙ったわけではないと思うけれど…。





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