女神の見えざる手

女神の見えざる手 “Miss Sloane”

監督:ジョン・マッデン

出演:ジェシカ・チャステイン、マーク・ストロング、ググ・バサ=ロー、
   アリソン・ピル、マイケル・スタルバーグ、ジェイク・レイシー、
   サム・ウォーターストン、ジョン・リスゴー

評価:★★★




 真っ先に思い出すのはTVシリーズ「殺人を無罪にする方法」(14年~)だ。ヴィオラ・デイヴィスが勝利のためならどんなことでもやってのける冷徹な弁護士に扮し、講師を務める学校の生徒たちを使って難事件に立ち向かう。『女神の見えざる手』はそのロビイスト版だ。ジェシカ・チャステインが演じるロビイストは、やはりどんな手を使っても勝利に執着する。最初から負ける気が全くしないぞ、おい。

 何しろ彼女はオープニングからこんなことを言うのだ。「予見するのが仕事。一歩先を読む。敵が切り札を明かした後、自分の札を切るの」。こう言われては、警戒して観てしまうのは当たり前のことで、チャステインが仕掛ける「仕込み」は、勘の良い人なら容易く読めるはずだ。この「仕込み」は窮地のチャステインの一発逆転のクライマックスで効く。かなりイージー。「殺人を無罪にする方法」風だからというわけではないけれど、TV映画みたいだ。

 とは言え、その点を差し引いてもチャステインが格好良い。銃規制強化法案の通過を目指す彼女は、いつでもどこでも戦闘態勢を崩さない。真っ白な肌。念入りのアイメイク。真っ赤なルージュ。スタイリッシュな服を次々着こなし、足元はいつもハイヒール。チャステインが感情を差し挟まずビシバシ動く様、痺れる!

 チャステインの所作には無駄というものがない。動きも言葉も効率性が優先される。セリフの量は膨大でも、アクションは不敵でも、そのいちいちがエリザベス・スローンというヒロインを形作る細胞になる。ほとんど表情を崩さないまま、何かアメリカの闇のようなものを体現する。チャステインが冷たく、美しい。倫理観の揺さぶりこそ、核にある。

 だから後半、ヒロインが人間味をちらつかせる件には落胆する。私も人間なのよ。温かいところもあるのよ。人並みに傷つくことだってあるのよ。実はこれ、それこそ「殺人を無罪にする方法」と同じパターン。話のスピードを殺すことに何故気づかない。このヒロインはデートサーヴィスの男と部屋にいるときぐらいしか気を休めないのが良いのに…。まあ、チャステインはデイヴィスのように大泣きして同情を獲得しようとすることのない分、マシか。

 …と言うように、ジェシカ・チャステイン ショーのような作りのため、銃云々についての考察が完全に手段にされているのが物足りない。途中、銃規制派が銃で脅され、銃所持賛成派に助けられて潮目が変わるあたりなど、ちょっと安っぽい。メロドラマみたいじゃないか…と言うのは言い過ぎか。





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