バリー・シール アメリカをはめた男

バリー・シール アメリカをはめた男 “American Made”

監督:ダグ・リーマン

出演:トム・クルーズ、ドーナル・グリーソン、サラ・ライト・オルセン、
   ジェシー・プレモンス、ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ、
   アレハンドロ・エッダ、マウリシオ・メヒア

評価:★★★




 実話を基にしているとは俄かには信じ難い。『バリー・シール アメリカをはめた男』は大手航空会社のパイロットがCIAにスカウトされたことをきっかけに、麻薬の運び屋業を中心に大金を荒稼ぎするという波乱万丈ストーリー。バリー・シールはアンチヒーロー的要素を兼ね備えた人物であり、彼をトム・クルーズが演じたのが大正解だ。

 主人公を金の亡者だと斬り捨てるのは簡単だ。けれど、クルーズの自ら危険に吸い込まれていくような飛び込んでいくような気配は、むしろ誰もが望んだだけで終わってしまう冒険に立ち向かう度胸を持った人物へと格上げする。彼は法を犯す。間違いない。それでもそれを跳ね除けてしまうほどにヴァイタリティが溢れる。要はどれだけ命の危険に直面しても、人生を謳歌しているように見えるのだ。

 そこでクルーズのあのスマイルだ。CIAにスカウトされるときの笑顔の破壊力よ。退屈な毎日からの脱却はどれだけの大金よりも彼を鼓舞する要素になる。そしてそれがクルーズのスター人生とダイナミックに重なっていく。これはクルーズがクルーズのまま輝くということを意味する。実在の人物を描きながら、クルーズのアイドル映画として成立している。

 クルーズがど真ん中にいるのだから、冒険は派手であればある程良い。最初は小型飛行機で中南米に向かい低空写真を撮るだけだった仕事が(それでも地上から銃で狙われる!)、現地の麻薬カルテルと親しくなり運び屋になり、はたまたCIAの銃を現地に持ち込んだり…とスケールがどんどん大きくなるのが可笑しい。CIA、麻薬組織のみならず、DEAやFBIまで絡んでくるのだから、バリー・シール、窮地に立たされているようで、実は内心、己の人生のでたらめさに喜んでいたのではないかと察する。

 細部描写の細かなところにも身を乗り出す。短過ぎて危険な滑走路。飛行中の機内から麻薬を湿地に落とすやり口。街中への不敵な着陸。アーカンソーの小さな町の帝王になったような暮らしぶり。己を私設空軍と形容するまでになる荒唐無稽さ、なるほどこれは確かに並のスターが演じては、絵空事で終わってしまったことだろう。クルーズだからこそ耐えられるのだ。

 主人公が輝く分、周辺人物の影が薄くなるのは仕方がないのか。とりわけ家族の描写は淡泊に済まされる。いっそのこと全部カットしても良かったぐらいで、妻のお飾り的存在感と妻の弟の中途半端な自堕落な態度が話のスピードを殺している。このあたりは実話映画の難しいところが出たか。





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