ザ・ボス 世界で一番お金が好き!

ザ・ボス 世界で一番お金が好き! “The Boss”

監督:ベン・ファルコーン

出演:メリッサ・マッカーシー、クリステン・ベル、ピーター・ディンクレイジ、
   エラ・アンダーソン、タイラー・ラビーン、キャシー・ベイツ

評価:★★




 真っ先に目が行くのは、メリッサ・マッカーシーの変貌だろう。やたらスタイリッシュに撮られているのだ。マッカシーお馴染みのあの巨体が上手に隠されている。いきなり髪をショートにして登場、化粧はシャープさを狙い、ダンスをキメ、ラップを披露して度肝を抜くマッカシーの今回のファッションの最大の特長は、ダイアン・キートンにでも倣ったか、首を隠す手法だ。凄腕ビジネスパーソンとしてマッカーシーがイメージチェンジ、これが掴みだ。

 ただし、そういうマッカーシーが魅力的に見えるかというと、それはまた別の話だ。巨体を恥じることなく、いやむしろそれを武器にして、大らかな笑いを振り撒くマッカーシーの持ち味が、スタイリッシュな外見に抑え込まれているというのは言い過ぎではないだろう。突き抜け方に思い切りが足りない。巨体が前面に出ても、いつものマッカーシーの方が愛嬌がある。

 『ザ・ボス 世界で一番お金が好き!』でのマッカーシーの役どころは、インサイダー取引で服役、出所したばかりの女。大金持ちから貧乏人に転落した彼女が、元秘書の下に転がり込み、彼女のブラウニーの味に目をつけて新事業を始める。せっかく豪快な設定に出た割には小さな方向にまとめようとする展開で、子どもを巻き込んだブラウニー作りにはったりが効いていない。もちろんマッカーシーの笑いもそれに埋没する。

 例えば、中盤最も面白いのが、ご近所レヴェルで行われる取っ組み合いというのは、さすがに拙いのではないか。女や子どもでも容赦しない下品で身体を張った呆れた笑いの数々。おそらく作り手はここに、「痛快」という言葉を見ているはずだ。けれど、後に残るのは目指すところの小ささだ。そんなスケールでマッカーシーをまとめて良いのか。

 けれど、最も大きな違和感はテーマを「家族」に集約させるところだろう。孤児院育ちという設定のヒロインは実は寂しがり屋。拝金主義と見せかけて、何よりも欲していたのは家族だったというオチ。終幕はクリステン・ベル母娘との交流がメインになり、己の間違いを認めるマッカーシーが映し出される。はっきり格好悪い。悪態を忘れて欲しくない。

 元恋人役にピーター・ディンクレイジを充てているのだから、彼とマッカーシーのライヴァルコメディにしてくれた方が良かった。黒い笑いがもっとバンバン弾けそうではないか。個性の強いふたりにチャンバラごっこさせて満足している場合ではない。腹が捩れるほどの笑いよりもハートウォーミングを目指すとは、狙いがずれているのだ。





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