エタニティ 永遠の花たちへ

エタニティ 永遠の花たちへ “Éternité”

監督:トラン・アン・ユン

出演:オドレイ・トトゥ、メラニー・ロラン、ベレニス・ベジョ、
   ジェレミー・レニエ、ピエール・ドゥラドンシャン

評価:★★




 物語は19世紀末のフランスの上流階級から始まる。その後、およそ100年近くもの時が流れ行く。何世代にも渡って紡がれる『エタニティ 永遠の花たちへ』にはしかし、物語らしい物語はない。トラン・アン・ユン監督は100年という「時」を映像という名の箱に閉じ込め、それを眺めている。

 中心となるのは三人の女たちで、オドレイ・トトゥ、メラニー・ロラン、ベレニス・ベジョという一流どころが揃えられている。彼女たちが見せる人生は確かに波乱万丈ではあるものの、それ自体に深い意味はないだろう。捉えられるのは時の流れの中で、良いときも悪いときも生き続ける、イノチの姿だ。

 作り手はそれを大変美しいものとして見ていることは明白で、どの女優もこれ以上ないくらい美しく撮られている。まるでこの世の人とは思えない肌の艶や目の深み、穏やかな表情。セリフが極端に少ない中(代わりにナレーションが多用される)、彼女たちは時の化身となる。

 美しいのは人間だけではない。緑が溢れる巨大庭園と、高価な家具や調度品が溢れる邸宅もそうだ。配置も緻密に考えられ、暖色と寒色、そして光の量が巧みに操られ、紗もたっぷりかけられる。そして、これぞ映像美だと突きつける。

 美を完成させるのはピアノの音(時にギターの音)だ。最初から最後まで絶え間なく流れ続けるそれは、これが時の呼吸だとでも言いたげで、ふとした瞬間にそれが聞こえなくなると、強烈な緊張が走る。

 …と言うように、全てが時の美に捧げられたような物語ではあるものの、だからと言ってそれだけでは簡単に魅了されないのが人間というもので、どれだけ美しくても、それが当たり前として存在し、しかも表情を変えないとなると、案外早くに飽きてしまうのだ。ナレーションでがんがん心情が語られ、生と死が繰り返され、愛し愛され、ただそれだけが続いていく。そこには喜びと哀しみが同時に宿る瞬間がなく、最後まで別世界の出来事にしか思えないのだ。





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