僕のワンダフル・ライフ

僕のワンダフル・ライフ “A Dog's Purpose”

監督:ラッセ・ハルストレム

出演:ブリット・ロバートソン、K・J・アパ、ジョン・オーティス、
   ペギー・リプトン、デニス・クエイド、ブライス・ガイザー、
   ジュリエット・ライランス、 カービー・ハウエル=バプティスト

声の出演:ジョシュ・ギャッド

評価:★★★




 まあ、ラッセ・ハルストレムらしい映画かと言うと、「マイ・ライフ・アズ・ア・ドッグ」(85年)の頃のような繊細さは見当たらない。犬が何度も生まれ変わりを繰り返し、そのとき出会った人間たちと共に、様々な「犬生」を経験する。最初はいつも「生」で、最後はいつも「死」だ。犬はその心象を人間語で語る。

 そう、ナレーションは犬だ(芸達者なジョシュ・ギャッドが担当)。良い人間に会う度に喜びを爆発させ、辛いこと・哀しいことがあれば意気消沈。飼い主の気持ちも犬に伝染、それを丁寧に丁寧に取りこぼすことなく語り掛ける。

 おそらくはファミリー層、すなわち子どもの観客への配慮があるのだろうけれど、いくら犬だからと言って、ここまで作為たっぷりに導く必要があるのかという疑問が頭から離れない。レトリバー、シェパード、コーギー、セント・バーナードとシェパードのミックス犬…いずれも実に表情が豊かで、それならば一切のナレーションを排除して勝負することも可能だったのではないか。感傷に浸ることのないハルストレム本来の作風にも合ったのではないか。

 …なんていちゃもんを書きながら、面の皮の厚いことに手の平を返す。それでも『僕のワンダフル・ライフ』は泣ける。涙腺が決壊する。ひょっとすると犬を飼ったことのある人間であるがゆえの反応かもしれないけれど、どうしても自分の犬と過ごした日々を思い出し、図々しく登場人物と犬の関係の中に自分たちのそれを見て、初めて犬を飼ったときの気持ちを蘇らせてしまうのだ。

 もう、これは条件反射的なものであり、理屈云々ではない。犬が無条件に注いでくれる愛の深さを軸に、懐かしき想いが渦を作る。飼い主が犬にしてあげられる愛情表現。それを丸ごと受け止める犬の表情。それでもついしてしまう八つ当たり。一緒に笑ったこと・泣いたこと。どんなときも一緒にいてくれたこと。日々の散歩がいかに人生の血肉になったか。犬と一緒に成長できる喜び。遂に別れるとき、二度と犬を飼わないと誓ったこと。それでもきっとまた犬を飼えば、別の充実が待っていると心の中では確信していること。

 それにしてもアメリカ映画は犬ととても相性が良い。犬が可愛らしくしっぽを振る度に、画面が愛一杯に満たされるのだから。犬との普通の暮らしをヴィヴィッドに描いた映画なら「マイ・ドッグ・スキップ」(99年)あたりの方が断然よくできているけれど、ここにも確かに、他の動物と違う、犬と人間の特別な何かが見える。小細工などしなくても、犬はその表情で大切なことを伝えてくれるのだ。





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