ウーナ

ウーナ “Una”

監督:ベネディクト・アンドリュース

出演:ルーニー・マーラ、ベン・メンデルソーン、リズ・アーメド、
   ルビー・ストークス、タラ・フィッツジェラルド、
   ナターシャ・リトル、トビアス・メンジーズ

評価:★★




 ルーニー・マーラはコメディが想像できないシリアス顔の女優だ。今回も深刻顔を崩さない。13歳のときに父の友人と関係した過去を持つ女だから当然か。その名を『ウーナ』と言う彼女は15年後、彼の居場所を突き止める。彼女の目的はどこにあるのか。復讐か、それとも愛の再燃か。マーラと年上男ベン・メンデルソーンの織り上げる緊張感!

 ウーナが傷ついていることは分かるものの、その傷の正体は曖昧なまま話が進む。いや、ウーナ本人も良く分かっていないのだろう。まだ少女だったときに関係を持ってしまったからか。それとも本当に愛していたのに捨てられてしまったからか。ウーナの突然の訪問を受けた年上男は困惑する。そして、この困惑が面白い。

 もちろん男はウーナを拒絶するのだけれど、今では家庭を持ち、すっかり「普通」の暮らしを送っている彼の佇まいの細かなところに、「小児愛者」を思わせるものがちらつくのだ。性の欲望を曝け出す…なんて大袈裟なことにはならなくとも、危険な匂いが立ち込める。そう考えると、ウーナの危うい言動は幼き日の出来事が原因とも読めてくる。

 ウーナはほとんどサイコ、或いはストーカーの様相で年上男に迫る。カウンセリングも受けただろう。親からのフォローもあっただろう。おそらく本人も違う人生を目指したかもしれない。それでも未だに過去に囚われてしまう恐怖と哀しみ。ウーナはそれを体現している。ウーナに苛つきつつも切なくも感じるのはそのせいだ。

 回想場面の挿入はいまいち巧く機能していないものの、「駆け落ちの日」の真相が互いの告白によって明らかになっていくあたりは滑らか。単純にこれを小児性愛の末路と割り切れないところに、人間の難しさを思わせる。メンデルソーンは回想場面も本人も演じていて、少女スターとの掛け合いに生々しさがある。

 それにしてもやたらセリフに重きが置かれた映画だと思ったら、なるほど舞台劇の映画化なのだった。マーラとメンデルソーンの激突は確かに見応えがあるものの、その空間の窮屈さからは逃れられない。現代場面も数カ所しか場所を動かず、画面の表情は単調だ。舞台臭を逆手にとって、言葉を反響させるくらいの技は欲しかったところだ。





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